RALLY-X mobile ラリーXモバイルWRC（世界ラリー選手権）の最新ニュースをスマホと携帯で配信。ついに復帰、トヨタ・ヤリスWRC最新情報も満載。WRC速報、ラリーカー写真など満載。
(c)AutoMax Youtube
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Mスポーツのファクトリーには、チームの栄光をともにしてきたフォードのラリーカーが何台も展示されているが、チームの活動とはまったく関係のない、トヨタGRヤリスのロードカーが保管されていることは奇妙にもみえる。
Mスポーツのショールームには、Rally1カー元年となった2022年のラリー・モンテカルロでセバスチャン・ローブが優勝したプーマRally1、コリン・マクレーが優勝したサファリ・ラリーのフォーカスWRC、あるいは今年、ダカールを戦ったフォード・ラプターT1+などさまざまなマシンが飾られている。
Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームの代表リチャード・ミルナーは、YouTubeで公開されたAutomaxの動画の中で、「これは僕のクルマなんだ」とGRヤリスを紹介している。
「なぜフォードではなくてトヨタなんだっていうこともよく聞かれるよ。僕はラリーを見て育ってきた、とにかくロードを走るラリーカーが本当に大好きで、これがその最新版というわけだ」
「すごいクルマだよ、これはセブ・オジエの限定仕様のモデルで、これを手に入れるっていうのは僕にとっては本当に特別なことなんだ。もともとこれは広告で販売されることを知った時にセブ本人に1台欲しいとお願いしたんだ、とにかくとても稀少なものだったからね。セブとは、彼が2017年〜2018年にこのチームにいたころからの付き合いで、今でもチャットで繋がっている」
ミルナーは、特別仕様車を購入したカスタマーに向けてトヨタが用意してくれたサプライズに感動したとふり返っている。
「オジエ仕様は小さなフランス国旗がデザインされていたり、リヤスポイラーも、いくつかドリフトモードやまた違ったモードも搭載されている。彼と繋がっていたのはラッキーで、おかげでこの1台を手にすることができた。そして、こういった特別仕様車において、トヨタがどのようにカスタマーに接し、そのカスタマーへのケアをどのようにしているのか、多くを学ぶことができたよ。それでクルマを受け取る時にも、サイン入りのドライビンググローブをもらえたり、その他いろいろ特典もあって、たとえば、フィンランドで氷上ドライビングを体験できたりすることもできるんだ、ユハ・カンクネンのドライビングスクール（ドライビング・アカデミー）でね。最高に楽しかったよ」
「それからフロントガラスには豊田章男さんがドライバーとして使っている別名『モリゾウ』のサインが書かれているんだ。日本では彼が、ヤリスを買ってくれてありがとうって言いにきてくれたんだ」
「そして新しいクルマのためのナンバープレートが必要だったから、最初はたとえば僕のイニシャルとかを考えてみたけど、ピンとくるものは見つからなかった。あれこれ考えて、ふと、GRはどうだろう、それならSEB（セブ）っていうのもアリだなって。であとは数字だ、ならセブといえば17だ、ということでこのとおりGR17SEBというピッタリのナンバープレートになったわけだ」
ボルボは伝統的にトップレベルのラリーとは縁が薄いブランドだが、Mスポーツのコレクションの中にはボルボS60 AWDの姿もある。ミルナーによれば、このスウェーデン車は長年にわたってチームのドライバーたちのレッキカーとして活躍していた1台だ。
ボルボS60は、大型のシティカーとして馴染み深いが、フォードには当時、適切な全輪駆動モデルがなかったため、それがレッキカーに選ばれたのだ。ボルボは2001年からチームがレッキカーに使用し、イベントによっては最大で6台もののボルボS60レッキカーが活躍していた。
「当時のフォードには、レッキカー向きの4輪駆動モデルはなかった。ボルボはグループの一員だったので、我々はなんとかボルボを調達した」とミルナーは動画の中で説明している。
しかし2017年、Mスポーツは白いボルボと別れを告げなければならなかった。その理由は単純だ。そのシーズンに新たにチームに加入したオジエが、このスウェーデン製のマシンに乗ることを拒否したのだ。
「マルコム、申し訳ないけれど、僕はこういうクルマは運転しないよ」とオジエはマルコム・ウィルソンに告げたとミルナーは明かしている。
Mスポーツはチームに加わった世界王者のオジエの意思を尊重し、ボルボの使用を取りやめた。オジエのあからさまな拒絶を受け、チームはレッキカーとしてフォード・フォーカスRSを使用するようになったのだ。
「それでフォーカスRSがレッキに使われるようになった。ボルボは20年にもわたってヨーロッパや世界各地でレッキカーで使われ、それなりにメンテナンスを必要としてきて、そろそろ引退という時期だったけどね」
ボルボはレッキカーとして勇退後、英国の中古ラリーカー販売サイトを通じて全車が売却されたと見られていたが、チームに所属したすべてのドライバーがステアリングを握った1台がチームの記念碑として残されたようだ。
●AutoMax Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=1xsKjcptLjc&t=864s
