WRC2021/04/12

Mスポーツのラリー機材がケニアに向けて出港へ

(c)M-Sport

 6月24〜27日に予定されるサファリ・ラリー・ケニアについては、今もコロナウイルスの感染状況から開催が不透明だとされるものの、マニュファクチャラーは19年ぶりの世界ラリー選手権の開催にむけた準備に追われており、Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームは今週、早くもアフリカに向けたラリー機材を送りだすという。

 世界ラリー選手権は2カ月にわたるインターバルの後、4月末の第3戦クロアチア・ラリーで再開したあと、第4戦のラリー・デ・ポルトガル、第5戦のラリー・イタリア・サルディニアを控えているが、マニュファクチャラーチームはそれらへ準備とともに6月末に行われるサファリ・ラリー・ケニアにラリー機材を送り出すための作業に追われているためけっして暇な時間をもて余しているわけではない。

 昨年3月のラリー・メキシコ以来、1年ぶりのヨーロッパ圏外イベントとなるサファリ・ラリーにむけて、Mスポーツ・フォードのレッキカーやスペアパーツなど遠距離ラリーの機材を満載したコンテナ船が早くも今週月曜日にサウサンプトン港からケニアのモンバサ港にむけて出港するという。

 トヨタやヒュンダイもクロアチアのラリーウィークが始まるまでにはコンテナをケニアにむけて送り出す計画だが、Mスポーツ・フォード代表のリチャード・ミルナーは、最近発生したスエズ運河のコンテナ船座礁の問題があったため機材を送りだす計画を前倒ししたと説明している。

「最近、スエズ運河が封鎖されたことによって海運に混乱が生じた状況から、できるだけ早く機材を送り出すのが賢明だとアドバイスを受けた」とミルナーは語った。

「今の世界は旅行に関してはまだ正常とは言えない状況なので、機材をいれたコンテナを船に積んで送り出すことができたことをうれしく思っている。昨年のメキシコ以来、久しぶりに長距離用のキットをパッキングするのはとてもエキサイティングなことだよ。このコンテナにはレッキカーや大量のスペアパーツなどが満載されているが、もちろん競技を走るマシンやスペアパーツの一部はイベントの直前に空輸することになる」

 ミルナーは機材を送り出したことに胸をなで下ろす一方で、COVID-19の状況や英国政府とケニア政府の動向を注視していると述べた。

「あとは我々は動向を見守っていくしかない。我々にできるのはそれだけだ。検疫によって難しい状況になるかもしれないが、イベントまではまだ2ヶ月ほどある」

 現在、ケニアは英国の「レッドリスト」に登録されており、ケニアから帰国する際には10日間のホテル検疫が課せられており、この自主隔離の期間が終わった数日後にはラリー・エストニアのレッキが始まるという厳しいスケジュールとなる。