WRC2017/01/29

R4キットはオレカが今夏から独占供給へ

(c)Oreca

 FIAはオレカ・グループをFIA R4キット・ラリーカーの公式かつ独占サプライヤーに任命した。

 量産の2WD車を安価に4WDラリーカーにモディファイすることを可能とするR4キットの新しいテクニカル・レギュレーションが昨年、ワールドモータースポーツカウンシル(WMSC=世界モータースポーツ評議会)で承認され、この公式サプライヤーがどこになるのか注目が集まっていた。

 オレカ・グループは、FIAによる入札公告を受けて、今シーズン中に導入されるこのキットの公式かつ独占サプライヤーに任命された。FIAとオレカの契約は今後3シーズンにわたる。

 新しいR4キットはFIAの国内およびリージョナル選手権の専用マシンとして、新しいアプローチにのっとって設計され、プロダクションカークラスをよりダイナミックなものとすることが期待されている。

 R4キットはユニバーサルなデザインとなっており、すべてのタイプのプロダクションカーに適応することが可能となっている。また、モデルの多様性に加えて、どの路面でも走行することができるため、国や大陸にかかわらず、多くの異なる選手権に参戦することが可能だ。

 4輪駆動システムと1.6リッターターボエンジンを備えるR4キットは、R5マシンとR3マシンの間の特定のレベルで競争したいチームとドライバーのかねてからの希望を実現するものだ。R5には劣るがR3よりも明らかに高い性能を発揮するマシンによって、R4マシンは非常に魅力的となっている。またR4キットは魅力的な値段ですぐにレース可能なマシンを得ることができるので、オペレーティング費用の面で費用対効果の非常に高いものとなっている。性能とコスト、信頼性の最適比率を可能な限り追及して開発されたR4キットには、エンジンおよびそのコンポーネント、トランスミッション、サスペンションなどアクスル回り、ブレーキシステムがすべてキットとして含まれている。

 オレカのテクノロジーディレクターを務めるデビット・フローリーは、次のように語った。

「R4キットへのそういった高い要求を満たすことは技術的にも興味深い挑戦だった。我々は最近のWRC2とWRC3への参戦を含め、我々のラリーにおける経験によって、さまざまなマシンのパフォーマンスと特性をよく知っている。これにより、現在のラリーシーンにおけるギャップ、すなわちR5クラスのすぐ下ではあるが、R3よりもかなり高く位置するレベルを埋めることが可能なR4キットを設計することができた」

 オレカ・グループ会長のユーグ・ド・ショーナックは、次のように語った。

「オレカは世界耐久選手権の4つのLMP2マニュファクチャラーで鍛えられ、この新しい国際プログラムを引き受けた。このプロジェクトはその技術的側面だけでなく、世界中のさまざまな地域における開発の可能性という意味においても非常にエキサイティングであり、我々はFIAがオレカを指名し、それを委ねてくれたことに感謝している」

 R4キットは、2017年の夏の初めに入手可能となる予定だ。