WRC2018/12/08

Review2018:トヨタ、タイトル制覇

(c)Toyota

 さまざまな出来事があった2018年シーズンが終わり、WRC公式サイトのwrc.comは2018年に起こったドラマの数々をふり返っている。
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 2015年の1月30日金曜日と7月7日火曜日に何があったか覚えている人はいるだろうか? 

 1月30日はトヨタが17年ぶりに2017年にWRCへ復帰することを発表した日だ。そしてその約6カ月後の7月7日は、4度のドライバーズチャンピオンのトミ・マキネンがフィンランドに拠点を置くトヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームを指揮することが日本で発表された日だ。

 滑り出しはなめらかではなかった。「信頼できる情報源」は内部問題を示唆し、一部の評論家は、ヤリスWRCは2017年1月にラリー・モンテカルロでデビューを迎えた時、笑い草となるだろうと見ていた。しかし、それは全く違っていた。ヤリ-マティ・ラトバラはフレンチアルプスで2位を獲得し、3週間後にはスウェーデンで感動的な勝利を収めることになった。

 この年のマニュファクチャラーズ選手権で3位となったトヨタは、2018年シーズンの序盤はいくつかのメカニカルトラブルによって足踏みが続き、昨年と同じような選手権ランキングにとどまっていた。第7戦のイタリアを終え、トヨタはリーダーのヒュンダイ・モータースポーツから61ポイントも遅れていた。

 ところが最後の6ラウンドが、トヨタの運命を変えた。ヒュンダイの後半の不振も相まって、オイット・タナクの3勝とラトバラの最終ラウンドの勝利によって、トヨタはシーズン復帰2年目にして世界タイトルを獲得した。トヨタが最速のクルマとして今季を終えることに異議を唱えるものはいないだろう。そして2019年にはタナクとラトバラにクリス・ミークが加わり、2度目の総合王者を目指して新シーズンを開始する。