WRC2018/12/09

Review2018:トルコの災難

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 2010年以来8年ぶりにWRCに復帰したトルコは、新しくマルマリスを中心としたイベントとして開催された。しかし、ドラマに満ちたラリーであることに変わりはなかった。土曜日のレグはここ数年の選手権の中で最もクレイジーでカオスな一日となった。

 すでに接戦となっていたドライバーズタイトル争いは、前日をリードしていたティエリー・ヌーヴィルがリタイアとなったことで、その緊張は沸点に達した。

 ヌーヴィルのマシンのフロントサスペンションがアッパーマウントを突き破ってボンネットに穴をあけ、道路脇で必死に修理を試みたにもかかわらず、彼はリタイアとなった。そして数分後、タイトルライバルのセバスチャン・オジエは、次のステージを右フロントのウィッシュボーンを壊してノロノロと走行した。彼はチームメイトのアドバイスを借りて苦労の末にサスペンションを取り付け、なんと次のステージで不完全なマシンながら劇的なベストタイムを叩き出し、王者の本当の恐ろしさを世界に見せつけた。

 だが、オジエはサービスでマシンを完全に直し、不利な選手権争いの状況を取り返すことは確実のようにも見えたが、なんと集中力を乱して何事もない木にヒットして立ち往生し、リタイアとなった。

 またシトロエンのクレイグ・ブリーンとマッズ・オストベルグにとって悲惨な一日だった。ブリーンのC3は火災に見舞われ、燃え尽きた。オストベルグはターボの故障でストップし、トヨタのエサペッカ・ラッピはクラッシュした。