WORLDWIDE2022/08/16

TGR育成プログラム2期生の山本雄紀が表彰台

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3選手が、8月12〜13日、フィンランドにて欧州での2戦目のラリーとなるヴァラオサ・エクスパート・ラリーに参戦。山本が総合3位(2WD車両では2位)、大竹が僅差で総合4位、小暮も総合6位で続き、3台が揃って完走を果たすことになった。

 ヴァラオサ・エクスパート・ラリーは、ヘルシンキの約100キロ北に位置するラハティの町を中心に開催される高速グラベルラリーで、歴史あるラハティ・ヒストリック・ラリーが主催する併催イベントだ。ヴァラオサ・エクスパート・ラリーは、今年はフィンランドラリー選手権に組み込まれてはいないものの、選手権に参戦している選手も何名か参戦しており、2期生の3選手が参戦した前戦、ポーヤンマー・ラリーからの成長を測る良い指針となった。

 週末は暖かく、ドライコンディションとなり、3選手はともに前戦からの進歩を見せ、彼らの駆るルノー・クリオRally4と同じRally4車両で参戦する地元の上位選手と遜色ないスピードをみせることになった。

 ラリー初日の金曜日、大竹は好調なスタートを切って総合3位、山本は大竹から5.7秒差の総合6位につけることになった。山本は翌日のSS9でスクラッチでのベストタイムを奪い、最終的に総合3位で表彰台を獲得、2WDクラスでもトップからわずか5.4秒差の2位と健闘をみせることになった。

 そして大竹は最終日にポジションをおわしたが、山本から1.8秒差の4位でフィニッシュしている。

 また、小暮は初日の朝の2ステージで少し慎重なアプローチを取ったが、その後は良いペースで走行し、最終的に総合6位でラリーを終えることになった。

小暮ひかる:「よいリズムで走ることができ、ラリーはうまくいきました。結果に完全に満足しているわけではありませんが、特にペースノートにおいて、前戦から進歩できたとことはとても良かったと思います。最初は、長いストレートからタイトなコーナーに入るときのハードブレーキに苦戦し、多くのタイムをロスしてしまいましたが、走行を重ねるうちに徐々に感覚を掴むことができました。次回は最初のステージからもっと速く走れるようにできればと思います」

大竹直生:「週末を通じてスピードを保つことができ、良いラリーでした。特にペースノートとスピードにおいて、前戦より成長できました。レッキで4回ステージを走ったので、ペースノートもしっかり作れましたし、コドライバーのマルコ(・サルミネン)との協力もうまくいきました。一番難しかったのは、コーナーでの正しいラインを見極めることでした。自分たちの車に比べ、よりタイトなラインを通る、多くのヒストリックカーの後で走行をしたので、正しいラインを判断することが難しかったです」

山本雄紀:「前回のラリーから成長したのでとても良かったと思います。多くのステージで、Rally4のフィンランド人ドライバーたちと競い合うことができましたし、トップタイムも1度取ることができました。一番大きな進歩はペースノートだったと思います。前回よりずっと正確になり、すべての情報を信じて走ることができました。今回のラリーではレッキの回数に制限がなかったので各ステージ4回走り、道をかなり覚えてしまいました。ですが、フィンランド選手権では通常2回しかレッキはできないので、今後のラリーではよりチャレンジングになると思います」

 チーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネンは、3選手の戦いを次のようにふり返っている。

「予想していた以上にとても良い週末になった。選手たちがよいペースを安定して保つことができたことが素晴らしかった。初日は極めて明快な、ストレートの多い高速ステージで、二日目はよりテクニカルな箇所があり、休む間なく常にクレストとコーナーが続くような高速のステージだった。ペースノートにおいては、二日目はかなりチャレンジングになることを想定していたが、フィンランド人ドライバーたちと比べてもパフォーマンスが落ちることはなかった。山本と大竹は最初から安定しており、ライバルや彼ら同士でバトルをしているときも冷静で、ミスをしなかった。小暮も自信を持つことができ、彼らと近いタイムで走ることができた。3選手が同じレベルで成長ができているのはプログラムを進めていくにあたっても良いことだ」