WORLDWIDE2023/03/07

TGRジュニア2期生・山本雄紀が初表彰台

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀が、3月3日(金)〜4日(土)に開催されたフィンランド・ラリー選手権第3戦、ユヴァスキュラ・タルヴィ・ラリーのSM3クラス(グループRally4およびR2車両)に参戦し、山本がクラス3位で自身初の表彰台を獲得。小暮はクラス10位、大竹は最終ステージでのアクシデントによりリタイアとなった。

 ユヴァスキュラ・タルヴィ・ラリーは、3選手にとって、1月のアークティック・ラップランド・ラリー、2月のラリー・スウェーデンに続き3度目のスノーラリーであり、冬のトレーニングの締めくくりのイベントとなった。ラリーは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのホームであり、3選手が昨年から移住し、拠点として活動しているユヴァスキュラを舞台に行われ、スペシャルステージは全7SSで合計88.92km。そのなかにはこれまでWRCのラリー・フィンランドで使用されてきた多くの道が含まれる。

 山本は、金曜日の夜、競馬場のトラックで行われたSS1から一貫したペースを保ち速さを発揮。森の中のステージに移った翌土曜日、SS5でクラストップタイムを記録したことで後続の4番手の選手に12.2秒差の安全なタイム差をつけ、そのまま3位でフィニッシュした。山本はこれまで2回のスノーラリーでは、強いパフォーマンスを見せながらも、いずれも車両トラブルにより完走できていなかったため、これまでのトレーニングの成果をようやく結果に繋げることができた。

「今回は、クリーンな走りで、常に良いペースを保つことができました。やっと最後まで走ることができたのでよかったです」と山本は語った。

「ユヴァスキュラ周辺の今回のステージは、とても高速で、道幅が狭くてクレストの多い、とても要求の多いチャレンジングな道です。これまでのラップランドやスウェーデンよりずっと難しかったです。最終ステージはかなり大変でした。すごい勢いで雪が降っていて、路面は柔らかい雪で覆われ、全くクリーンなラインがありませんでした。適応するのが難しく、適切なペースがわからないという状況は、今回の新しい学びでした。3つのスノーラリーを通して、良い走行マイレージを得られましたし、結果としても徐々に良くなり、最終的に表彰台に立つことができました。たくさん成長できたと思うのでとてもうれしいです」

 小暮は、これまでの2つのスノーラリーで見せた成長を再び見せるべくラリーに挑み、全ステージを走り切って貴重な経験を積み、クラス10位でラリーを終えている。

「スノーラリーでさらに経験が得られたことはうれしく思っていますが、スピードに関しては残念に感じています」と小暮は語った。

「今回は、多くのクレストや狭くバンピーな道など、これまでのスノーイベントのステージの特徴とはかなり違っていました。ペースノートやドライビングのフィーリングは悪くなかったのですが、期待していたようなペースになりませんでした。クレスト上や狭いコーナーでスピードを出し過ぎてしまって、ジャンクションでオーバーシュートしてしまうようなことがありました。3回のスノーラリーへの参戦で多くのことを学び、たくさん改善することができたのはよかったです。次戦は舗装路でのラリーになるので、楽しみでもありますし、しっかり準備をしていきます」

 大竹も安定した良いペースで走行を続け、終盤まで4位争いに加わっていたが、最終ステージ、暗闇の中での降雪という難しいコンディションにより、スノーバンクでスタック、リタイアすることになった。スノーラリーの締めくくりとしては残念な結果になったが、前2戦ではクラス2位、クラス優勝を記録し、全体としてはポジティブなスノートレーニングをすることができた。

「今回のラリーはかなりハードにプッシュして良い走りができたと思いますが、最後のステージでのコースオフは残念でした」と大竹は語った。

「雪がたくさん降っていて前が見えにくく、コーナーが思っていたより少し早く来ました。少しスピードが速すぎる状態でコーナーに入ってしまい、横に膨らんで雪壁にスタックしてしまいました。3つのスノーラリーを通してとても多くの経験を得ることができましたし、今回のラリーで、自分がどこでタイムを失っているかを理解することができ、改善のヒントをいくつか得ることができました。貴重な学びがあったので、全体的には良いラリーだったと思っています」

 チーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネンは、スノードライビング経験はほとんどなかった3人が、スノーイベント3戦で素晴らしい成長を成し遂げたと評価している。

「今回は、少しプッシュしてみることが3選手への課題だった。最高の状態で安定した走りができれば、良い結果が出せると自信があった」

「山本は、今年のスノーラリーで度々良いスピードを見せていたが、今回は最初からそれが発揮できたことがとても良かった。クラス3位は素晴らしい結果で、本人もホッとしていると思う。大竹も良いドライビングをし、序盤は山本に近いタイムで走行していた。残念な結末にはなったが、彼のスピードを見ることができたし、満足している」

「小暮は雪のコンディションに苦戦していたが、試行錯誤しながら常に向上した。本当にプッシュするにはまだ少し自信がなかったようだが、彼はラリーを走り切って経験を得るために、スマートなドライビングをした。全員、雪上でのドライビング経験はほとんどなかったが、雪のコンディションに慣れている地元のフィンランド人選手たちに対しても良いスピードを見せることができた。3選手とも、短期間で素晴らしい成長を成し遂げたと思う」