WRC2022/08/30

TGR育成プログラムの大竹直生が初表彰台

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3選手が、8月27日、欧州での3戦目としてラリー・ミッケリに参戦した。大竹がSM4クラス3位で初の表彰台を獲得し、小暮は6位で完走、山本はマシントラブルにより途中リタイアとなっている。

 フィンランド・ラリー選手権第6戦として行われたラリー・ミッケリは、フィンランド南東部に位置するミッケリの町を中心に、合計106.27kmの7つのスペシャルステージ(SS)を1日で戦う高速のグラベルラリーだ。3選手ともに堅実な走りを見せた2週間前にラハティで行われたヴァラオサ・エクスパート・ラリーでの結果を踏まえ、今回は6月にデビュー戦として参戦したフィンランド・ラリー選手権第5戦ポフヤンマー・ラリーからの成長を見せる良いチャンスとなった。

 大竹・サルミネン組はSS4終了時点でクラス3位に上がると、その後も安定した走りでその位置を守り、最終的に後ろの選手と20秒の差をつけて、欧州で自身初の表彰台に上がっている。

「今回の結果はとても嬉しく思っています。朝はペースがあまり良くありませんでしたが、徐々に上げていくことができました。多くのことを試しながら、良いリズムを見つけられたのは良かったです。今回のラリーで一番大変だったのは、前回のラハティでのラリーと違い、レッキでの走行が2度に限られていて、1つのSS以外は繰り返しのステージもなかったことです。ですが、ペースノートはかなりうまく行き、ノートと自分を信じて走ることができました。もちろんいくつかミスもしましたが、またそれらから多くを学べましたし、とても良い経験ができました」

 山本・テイスコネン組はSS1でクラス4位の好タイムを記録し良いスタートを切ったが、SS3で燃料ポンプのトラブルが発生し、リタイアを余儀なくされた。

「問題が起きるまではうまく行っていました。もちろん何人かのフィンランド人選手は自分たちより速かったですが、テストのときと変わらない、今の自分のレベルで走ることができていたと思います」と山本は語った。

「リタイアせざるを得なかったのは残念でしたが、ラリーというスポーツには起こり得ることだと理解しています。今回は、早く終わってしまい、経験を積むことがあまりできませんでしたが、走れたステージではうまく行ったこともありましたし、今後自分が改善すべき点も見つけることができました。しっかり前を向いて、また次のラリーに集中します」

 小暮・ルフティネン組は序盤ブレーキの調子に悩まされたが、SS2の後のサービスで問題が解決された後はSS3でクラス4位のタイムを出すなど調子を上げ、クラス6位でラリーを終えている。

「前回のフィンランド・ラリー選手権のときから改善ができたのは良かったですが、正直なところ、チームメイトと比べて自分のスピードに満足はしていません」と小暮は語っている。

「朝はブレーキに問題があり多くのタイムを失いましたが、問題が解消されてからも速くは走れなかったと感じています。ステージは高速な上にツイスティで、レッキの際、ペースノートに記すべきコーナーの角度を判断するのが難しかったです。それが今回のラリーでのスピードに影響しました。ですが、少なくとも、大きな問題なくラリーを終えることができ、今後に向けての経験とデータを得ることができました」

 また、チーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネンは次のようにふり返った。

「今回も全体として良いラリーとなった。序盤でユウキ(山本)にテクニカルトラブルが発生したのは不運だった。彼は最初のステージからとても良いパフォーマンスを見せていたので、あのまま最後までスピードを保っていけるか見たかった。ヒカル(小暮)も最初トラブルを抱えたが、修理して以降はスピードに乗ることができた。ナオ(大竹)は終始安定した走りをし、3位に入ることができたのは素晴らしいことだ」

「今回のステージは高速でハイスピードコーナーが多く、非常にチャレンジングだった。ハイスピードコーナーをこなすにはペースノートに自信が必要となる。彼らがレッキを4回走った前回のラハティでのラリーに対して、今回は2度のレッキで作ったノートを信用することができるか興味深いところだったが、彼らはよくやったと思う。スピードも良かったし、大きなミスもなく、より自信を持つために自分のノートに必要なことをさらに学んだと思う。今回のラリーも成長に向けて良いステップとなった」