WRC2019/06/04

VWポロR5に原因不明の火災続出

(c)Eric Veiby/twitter

 フォルクスワーゲン・モータースポーツは、これまでに販売された33台のポロGTI R5のうち5台で発生した火災の原因特定に乗り出す。

 3月のツール・ド・コルスでエリック・カミリーが勝利を目前でポロGTI R5に発生した火災のためにリタイアになって以降、ミステリーに包まれたかのようにこのマシンには火災が多発している。4月のERC第2戦のラリー・イスラス・カナリアスのダニエル・マルバンのポロに続いて、先週末には3台のポロで火災が発生した。ラリー・デ・ポルトガルではオーレ・クリスチャン・ヴェイビーとペドロ・メイレレスの2台、もう1台はスイスのラリー・ドゥ・シャブレに参戦していたセドリック・アルトハウスのポロだ。

 これらマシンはグラベルやターマックを含むさまざまな状況の異なるラリーで火災に見舞われたが、共通の傾向として、火災はマシンの後部で発生しており、燃料タンクのブリーザが問題の一因である可能性が推測されている。

 フォルクスワーゲン・モータースポーツの広報担当は、火災解析の専門家と協力して、原因を突き止めて修正するために懸命な作業を行っていると語った。

「我々はマシンの後部から火災が発生していることを知っている。しかし燃え残ったマシンの場合、詳細を正確に特定することは非常に難しい」

「そういった理由から我々は火災の専門家を招いている。彼らは何が起こっているのかのより詳細な絵を我々に与えることができる。勿論、我々はそれを修正するために日夜働いている。もっとも重要なことはすべてのクルーの安全性だ」

 ヴェイビーはポルトガルで消防車のそばにマシンを止めることができたために、すぐに火は消しとめられている(写真)。そのため彼のマシンは出火原因を究明するための貴重な情報源となりそうだ。

 フォルクスワーゲン・モータースポーツのテクニカルディレクターを務めるフランソワ‐クサビエ・ドゥメゾンは、チームは原因が何であってもマシンに必要な仕様変更を行う準備ができていると語った。

「もしこれにホモロゲーション・ジョーカーを使用しなければならないとすれば、我々はそうする」とドゥメゾン。

「これはパフォーマンスやステージあたり10分の1秒を短縮することよりも重要だ。我々は火災の理由を突き止めるために努力しており、すでにいくつかの考えを持っている。しかし、いかなる新しいパーツも、それをマシンに適用する前に、似ている条件下でテストし、評価しなければならない」

 フォルクスワーゲン・ポロGTI R5はその速さと引き換えに、パワーステアリングの問題やサスペンションの破損などが頻出しており、いくつかの対策が急がれている。