WORLDWIDE2019/08/18

VW ID.R、中国天門山でヒルクライムに挑戦

(c)VW

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 フォルクスワーゲン・モータースポーツは9月2日にEVレーシングカーのフォルクスワーゲンID.Rで中湖南省張家界市にある天門山通天大道の新記録に挑戦することを発表、スペシャルカラーをまとったマシンを公開した。

 天門山通天大道は、連続する99のタイトなコーナーが天空へと続く、息をのむような景観をもつ道で、地元では空飛ぶドラゴンと形容されている。全長およそ11kmの道を登り切った先に待ち受ける天門洞は、天門山山頂の崖にぽっかりと空いた高さ131.5mの巨大な自然のアーチを持ち、まさしく天国へつながる扉にも見える。フォルクスワーゲン・モータースポーツの目標は、この天門山通天大道のヒルクライムにID.Rで挑み、新しい記録の樹立にチャレンジすることだ。

 速度のレンジが25 km/hから230km/hという天門山通天大道の非常にトリッキーなステージに挑むのは、すでにフォルクスワーゲンID.Rを駆ってパイクスピーク・ヒルクライム、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで完全なEVマシンの新記録を打ち立てているロマン・デュマだ。

「天門山と通天大道は息をのむような美しさをもつ」とデュマ。

「自然が生んだ見事な光景と途方もないほどの道路工事がこの壮大な道を生んだ。レーシングスピードで頂きにむかってこの道を駆け上がることは、ドライバーにとって本当のチャレンジとなる。最大の敬意を払ってそれに立ち向かうつもりだ」

 通天大道の99のコーナーは、本当の試練であり、エラーの余地はない。すべてのコーナーがタイトなヘアピンで、道路と切り立った崖を隔てるのはわずかなコンクリートブロックだ。

 天空へと駆け上がる道路は、リズミカルに曲がりくねって重なり合っているように見える。しかし、コンクリートの路面は十分なグリップがあるが、非常にバンピーだ。500 kW(680 PS)のフォルクスワーゲンID.Rは、最長区間で約230 km / hに達するが、半径6メートル、道路幅5-6メートルしかない88番目のコーナーがボトルネックとなり、おそらく約25 km/hでしか通行できないと見られている。

 この通天大道の99のコーナーに挑むのは、フォルクスワーゲンID.Rとデュマが初めてではない。これまでにもスポーツカーやオフロードマシンが挑んでいるが、公式にスタートやフィニッシュ地点が定義されていなかったため、ID.Rがターゲットとする正式なタイムはないが、今回のチャレンジによってスタートとフィニッシュが公式に定義されることになる。