WRC2017/03/11

WRカーが渋滞で到着せず、朝のループがキャンセル

(c)Rally Mexico

 長距離移動の悪夢がふたたび再現されることになった。ラリー・メキシコは木曜日の夜に首都メキシコシティで20万人の観客を集めた熱狂的なストリートSSで開幕、その後、WRカーを積載した数台のトレーラーが400km離れたレオンまで向かう計画だったが、一般道の大渋滞と交通事故に巻き込まれたために金曜日の朝のループがキャンセルされることになった。

 同じようなことは10年前の2007年にラリー・アルゼンチンで起きたことがある。WRCのPRのために首都ブエノスアイレスで行われたスーパーSSで開幕したものの、その後、700kmあまり離れたラリーベースのコルドバへとドライバーや関係者を乗せて飛ぶはずだったチャーター便が悪天候のために遅延、ドライバーたちの便は幸いにも3時間遅れでコルドバ空港に到着したが、FIAや競技関係者を乗せた便は濃霧で着陸できずに引き返すことになり、結果的にレグ1の通常のスケジュールがほぼキャンセルされることになったことがある。

 今回のメキシコでもドライバーや関係者はレオンとメキシコシティをチャーター便で往復しているが、問題となったのはWRカーなどを搭載したトレーラーが金曜日の観戦のためにレオンに向けて一斉に大移動を開始した恐ろしい数の一般車に行く手を阻まれてしまったことだ。ラリーカーを積載した4台のコンボイはまったく身動きがとれず、さらにハイウェイでの事故も重なったために金曜日の朝9時の時点でサービスパークにはまだWRカーが到着してない状況だった。
 
 メキシコの主催者は、金曜日の11時18分にスタートするはずだったSS2のエル・チョコラテとSS3ラス・ミナースの2つのステージのキャンセルを決定、午後のループのセクション3から再開するとアナウンスしている。

 WRCプロモーターのマネージング・ディレクターを務めるオリバー・シースラは、メキシコシティのソカロ広場で行われたスペクタキュラーなステージのあと、興奮した様子で「信じられないほど素晴らしい開幕だ」と形容していた。

「これはWRCにとって新たに歴史的な一日となった」と彼は語った。「素晴らしいパーティーのような雰囲気の中でエキサイティングなアクションを楽しむ人々を見ることは目覚ましいものだった。人口2,000万人以上のメキシコシティの中心でWRCを開催することは、ラリーを紹介するためにこれ以上ないほど最適な舞台だ。WRCは今日、多くの新しいファンを獲得したと思う」