世界ラリー選手権のラリーウィークにおいて、競技者とスタッフに最低限の休息時間を設けることを義務付ける競技規則が2026年から導入されることがワールドモータースポーツカウンシルの電子投票によって正式に決まった。
過酷なアイテナリーの問題は、今年のラリー・デ・ポルトガルで最も浮き彫りになった。アルガニル丘陵を舞台とした金曜日は、朝6時にスタートしたあとタフで長い一日を走ったあと、最後のサービスに最初のクルーがチェックインしたのは午後9時15分だった。だが、ドライバーたちはそのあともメディア対応などや翌日のノートの確認作業を深夜まで行い、翌朝はふたたび6時にスタートしなければならなかった。
クルーたちの仕事は1日に15時間にも及び、ほとんど寝る時間もなく、休息の時間もなかったことが報告されていた。これを受け、FIA、WRCプロモーター、そしてマニュファクチャラーは共同でルール改善を目指した作業を行ってきた。
2026年のWRC規則には、各ラウンドの競技時間と休憩時間を規定する新たな条項が追加され、競技初日を除き、ラリー全体の休憩時間が競技時間の合計と同時間以上であることが義務付けられる。1日あたり最低10時間は休息に充てられ、1日に少なくとも12時間以上の回復時間を確保する必要がある。
FIAによると、これはイベント全体での一貫性を高めための措置であり、クルーのみならず、チーム、役員、ボランティアの休憩時間を増やすためと説明している。
2026年のその他のレギュレーション変更には、エンジン交換に関する変更が含まれ、マニュファクチャラーポイントを獲得するRally1カー以外の競技車両についてもラリー中のエンジン交換を認めている。
マニュファクチャラーポイントを獲得するRally1カーについては、すでに「カーネーム」ごとにシーズン中に2基のエンジンの中でペナルティなしでエンジンを交換できることになっている。これは今年のラリー・チリでオイット・タナクが行ったケースと同じだ。
新たにこれ以外のRally1カーを含めたRally2カーなどもエンジン交換が認められるが、こちらは交換した場合は60分のタイムペナルティが課せられ、選手権やカップのポイント獲得資格を失うことになる。
FIAは、この変更は重大なメカニカルトラブルが発生した場合でも、競技参加者がラリーへの参加を継続できるようにすることを目的としていると説明している。
WRCキャンディデート(候補)イベントのより簡素化された枠組みが新たに導入されることになったが、その開催時期については、WRCカレンダーへの組み入れ前年、かつWRCデビューの9か月前までに開催することが義務付けられた。
ミッドデイのサービス時間は、40分から30分に短縮された。これはハイブリッド規定の導入に伴い、サービスにおける作業時間が増えることから採用されていたものだが、すでにハイブリッドが廃止されたため、この規定が導入される前の2022年以前の規定に戻ることになる。
スペシャルステージのスタート時刻の遅れについては、遅延時間に制限を設ける新たな規定が導入された。安全上の理由から、最後の競技車両から10分以上遅れて到着したクルーは、ステージを迂回し、代替道路を経由してコースに復帰するよう指示される場合がある。この場合、クルーにはステージのノーショナルタイムが割り当てられる。
シェイクダウンについては、P2、P3、P4、およびノンプライオリティドライバーはシェイクダウンステージを最大2回までしか走行できないように制限されている。