WRC2025/04/21

WRC燃料価格が25%も爆上がり

(c)Rally Islas Canarias

 P1パフォーマンス・フュエルの経営破綻を受けて、2025年のWRC公式燃料サプライヤーはトタルエナジーズに変更されたが、これに伴い、燃料価格がこれまでより25%、昨年の同時期より30%も値上がりすることになった。

 新たな公式燃料サプライヤーとなったトタルエナジーズは、ラリー・イスラス・カナリアス以降の燃料価格をVAT抜きで1リットルあたり8.75ユーロ(=およそ1416円)と設定した。

 これまでのP1パフォーマンス・フュエルは、昨年のギリシャ以降、それまで6,57ユーロだったものが6.82ユーロへと上昇、4.98ユーロという特別な価格で供給されたモンテカルロのあと、スウェーデン以降はさらに6.96ユーロへと値上がりしていた。

 ちなみにこれまで公式燃料は、サルディニアなどの島しょイベント、あるいはケニアやチリ、日本といった欧州圏外イベントではこれまで輸送費などを上乗せした価格設定はされてこなかった。新しいトタルエナジーズも、島しょイベントのカナリアスのあとのポルトガルでも8.75ユーロという同価格を発表している、

 マニュファクチャラーチームは燃料を50リットルバレル単位(1リットルあたりの価格は同じ8.75ユーロ)で事前注文する。Rally1マシンは、例えば開幕戦ラリー・モンテカルロでは1台あたりおよそ460〜500リットルの燃料を消費したとの報告があることから、1戦あたり1台につき3,480ユーロ(およそ56万8,000円)掛かっていた燃料代は、この新たな値上げにより4,375ユーロ(およそ70万8,000円)かかることになる。3台体制のチームの場合、これまでより1戦につき2,685ユーロ(およそ43万4,000円)の費用増となる計算だ。

 チームだけではなくプライオリティドライバーは公式燃料を使用することが義務づけられていることから、エントラントにとっては思わぬ出費増を招くことになる。