WRC2017/07/29

WRC2は地元フットネンがリード、新井が初日4位

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 ラリー・フィンランドのDAY1が28日に行われ、地元フィンランド出身のヤリ・フットネン(シュコダ・ファビアR5)がWRC2で衝撃的なデビューを飾り、金曜日のラリー・フィンランドをリードした。また、TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラムにて欧州で修行中の新井大輝(フォード・フィエスタR5)も3位を走っていたが、ポップオフバルブの問題によってこの日の最終ステージでイタリアのファビオ・アンドルフィ(ヒュンダイi20 R5)に3位を奪われた。

 ノルウェーのオーレ・クリスチャン・ヴェイビーがWRC2への登録を取り止めるなか、誰が勝利してもWRC2初優勝というなかでラリー・フィンランドはスタート、キャリアの中で4輪駆動マシンをドライブしたのはまだわずか2戦目にすぎない地元の若手であるフットネンがSS3のベストタイムで首位に浮上することになった。

 フットネンはスライドして野原にコースオフし、ヒヤリとする場面もあったが、さらにベストタイムを連発してリードを広げ、ユーソ・ノルドグレン(シュコダ・ファビアR5)、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)、ピエール-ルイ・ルベー(シトロエンDS3 R5)らの追撃をかわし、最終的に金曜日の12ステージのうち9SSを勝利し、56.2秒をリードして初日を終えることになった。

 グリーンスミスは2位を走っていたが、ドライブシャフトが壊れて3位に後退し、さらにその後、タイトなコーナーでペースノートのミスによってマシンの右リヤを損傷し、リタイアした。

 また、ノルドグレンもまた2位を走っていた時にホイールにダメージを負い、2分20秒を失って8位に転落した。さらにルベーも、2位に浮上してフットネンを追っている最中にクラッシュ。カンタン・ジルベール(シュコダ・ファビアR5)が2位でこの日を終えることになった。

 注目の日本勢は、新井は断続的にコーナーで突然不調になるポップオフバルブの問題に悩まされてペースを上げられない一日になったものの、SS10では3位へと浮上する。しかし、終盤のステージでさらに問題が悪化してリズムに乗れず、彼は最後のSS13でアンドルフィに3位を奪われることになった。それでもギャップはわずか3.9秒にすぎない。

 いっぽう、勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が金曜日のオープニングSSのあとオルタネーターベルトの破損によりロードセクションでストップ、応急修理を行うも、TCに51分遅れて8分30秒という致命的なペナルティを課せられることになった。それでもSS3、4では連続して3番手タイム、SS6で2番手タイムとペースを上げることに成功したものの、デイサービスにおいてマキシマム・レイトネスタイムの30分を超えていることを通告されてタイムオーバーによりSS3の前でのリタイア扱いとなった。

 英国出身のトム・ケイブ(ヒュンダイi20 R5)はパイプのオイル漏れによって出遅れ、3輪しか制動が効かない状態で5位でフィニッシュ、同じく英国出身のオシアン・プライスは昨年のDMACKフィエスタトロフィーの褒賞としてフィエスタR5をドライブする2度目の機会となったが、なかなか完璧なセットアップを見つけることが出来ずに6位にとどまった。

 2016年のジュニアWRCチャンピオンのシモーネ・テンペスティーニ(シトロエンDS3 R5)も金曜日の難しいステージになかなかマシンを適応させることができず、この日を9位で終えた。