FIAワールドモータースポーツカウンシル(WMSC=世界モータースポーツ評議会)は、2027年から施行されるFIA世界ラリー選手権(WRC)のトップカテゴリーマシンのボディワークデザインを含むコンポーネンツのコアとなるレギュレーションを承認、WRCの将来より明確になった。
昨年末に承認された次世代トップカテゴリーとなる「WRC27」(仮称)は、これまでの6か月にわたる最終的な改良と更新を経て、FIAは、今週の火曜日にマカオで開催されたWMSCにおいて、このマシンのボディワークの基準容積を決定し、2026年シーズン以降のWRC27の方向性を確定した。
FIAは、すでに2027年以降、マニュファクチャラーだけでなく新たにコンストラクターにも競技車両を設計することを認めており、ボディワークについても大幅な自由度を認める方針をすでに打ち出している。WMSCは今回のミーティングにおいてWRC27のマシンを構成するすべてのボディワークパネルをレイアウトする領域を定義したことで、マニュファクチャラーとコンストラクターは多様なデザインを自由に行う作業が可能となる。
FIAは声明の中で次のように述べている。
「WMSCは本日、2027年から始まるFIA世界ラリー選手権の新たな時代の幕開けとなる、魅力的なパズルの最後のピースの一つを承認した」
「2024年12月にWMSCで承認された『WRC27』のルールセットは、過去6か月間にわたり最終的な改良と更新が施されてきた。そして本日、ボディワークの基準体積が正式に確定したことで、FIAが本規則の中核に『柔軟性』を据えるという方針が改めて示された」
この新規則により、2027年シーズン以降、ラリーカーはほぼすべての公道走行可能な車両をベースに製造することが可能となる。実際には、マニュファクチャラーはハッチバック、セダン、SUV、あるいは完全にカスタムメイドのデザインを基にしたラリーカーを開発することが可能になる。ボディパネルの寸法には依然として一定の制限が残されるが、設計の自由度は相当に高くなる。
「これを実現するために、レギュレーションではすべてのボディパネルを配置しなければならない範囲が定義されているが、この範囲内であれば、マニュファクチャラーやコンストラクターはほぼあらゆるデザインを自由に拡大・統合することができる」と声明は説明している。
「このレギュレーションの重要な特徴は、パフォーマンスに影響を及ぼすことなく、セダンからハッチバック、クロスオーバー、そして完全な特注設計に至るまで、様々な車両が2037年までの10年間のレギュレーションサイクルを通じて参戦できることを意味する」
今回のWRC27のレギュレーションで最も重要なのは、FIAが2027年以降ラリーカーの価格上限を導入し、その上限を34万5000ユーロに制限することだ。そしてこのルールは10年間維持することが予定しており、選手権に長期的な安定性をもたらすことを狙いとしている。
FIAは既に、マニュファクチャラーがパワートレインソリューションの選択においてもより大きな自由を得ることを明らかにしており、2027年の開始最初は持続可能な燃料を使用したRally2カー仕様の内燃エンジンとなるが、将来的にはハイブリッドシステム、完全電動ドライブトレイン、さらには水素燃料を選択できるようになる予定だ。