WRC2025/12/20

WRC27 「新Rally1」のコンセプトビジュアル公開

(c)FIA

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 FIAは、2027年シーズン以降の世界ラリー選手権(WRC)トップカテゴリーのマシン、『WRC27 Rally1』のコンセプトビジュアルを発表した。

 WRCのテクニカルレギュレーションが2027年以降変更され、トップカテゴリーはWRC27規定に準拠したマシンに移行することになっており、先日のワールドモータースポーツカウンシルはこの技術規則を最終的に承認している。

 2027年以降の新しいトップカテゴリーのマシンはこれまでWRC27という仮称で呼ばれてきたが、FIAは2022年に現行世代のラリーカーに初めて適用されたRally1という名称を維持することを決定し、これらの規則を視覚的に示したWRC27 Rally1コンセプトビジュアルを公開した。

 新しい規定車両でWRC27仕様のRally1が世界最高レベルのラリーカーとして位置づけられるにもかかわらず、WRC27仕様のRally1と現行のRally2は依然として競技上、並存することが想定されている。FIAは「WRC27マシンはトップカテゴリーで既存のRally2と競い合い、国際ラリーの最高レベルで幅広い競争力を持つ車両が一堂に会することになる」と述べている。
 
 WRC27 Rally1は、メーカーの市販モデルをベースとするRally2マシンとは異なり、チューブラーフレームのセーフティセルをベースとして製造される。FIAは「広範なシミュレーション、ベンチマーク、プロトタイプの衝突試験」を実施し、セーフティセルを進化させ、複雑さとコストを削減したと説明している。
 
 今週初めに発表されたように、WRC27規定では、これまでのようにメーカー(マニュファクチャラー)だけがトップカテゴリーのマシンを製造できるのではなく、プライベートな「チューナー」にもこのマシンの製造を認め、「コンストラクター」という新たなフレームワークのもとでの世界ラリー選手権へと生まれ変わる。

 
 今週初めには、モータースポーツエンジニアのリオネル・ハンセン、元シトロエン・レーシングのWRCチーム代表のイヴ・マトン、そしてベルギーのプロスピード社が立ち上げた、「プロジェクト・ラリーワン」がチューナーとして初めてWRC27の開発を行っていることも明らかになっている。

 チューナーは、メーカー同様に車両を一から製造してホモロゲーションを取得するか、メーカーがホモロゲーションを取得したパーツを一部使用しつつ、独自に製造したパーツのホモロゲーションを取得してWRC27 Rally1マシンを走らせることができる。
 
 コンストラクターは、WRC27マシンのための新しいFIAセーフティセルをベースとして規定された数値内でボディワークを自由に開発することができる。WRC27マシンの全長は4100mm以上で4300mm以内、最大幅は1875mm、ホイールベース2600mm以上、全高1270mm以上というボリューム値が発表されている。

 FIAが公開したコンセプトビジュアルでは、3ドアのハッチバック、4ドアセダン、あるいは5ドアのSUVモデルをベースとしたさまざまなデザインのコンセプトを紹介しているように、コンストラクターは規定で定められたボリューム内で、市販車のボディワークデザインを模倣するか、全く新しいデザインを作成するかを選択できる。市販モデルからインスピレーションを得たものから、完全に特注のラリーコンセプトまで、幅広いソリューションが可能となる。

 パワートレインの柔軟性も、WRC27レギュレーションの中核を成す重要な要素だ。当初は、持続可能な燃料を使用した1.6リッター内燃エンジンを搭載するが、将来的には代替パワートレインの導入も可能となる。これは、世界ラリー選手権のトップカテゴリーが進化するテクノロジーに確実に適応できるようにすることを目的としたものだ。

 
 WRC27 Rally1の車両価格は、ターマック仕様で34万5000ユーロに制限され、およそ100万ユーロを超えるとされる現行のRally1と比較して50%以上のコスト削減が可能となる。部品についても材質などの仕様変更と耐久性の向上によりコスト削減が実現され、シーズンを通して運用コストを削減することもWRC27レギュレーションにおけるコスト削減戦略の一環となっているとFIAは説明している。

「柔軟性はWRC27レギュレーションの特徴です。今回発表した新しいRally1コンセプトは、これらの仕様に基づいて設計されており、その柔軟性が実際にどのように適用できるかを示しています。これらのコンセプトは、FIA世界ラリー選手権のトップレベルの競技の要求を満たしつつ、この枠組みの中で開発できる技術ソリューションと車両コンセプトの幅広さを初めて示しています」と、FIAスポーツ担当副会長のマルコム・ウィルソンは述べている。