ヤリ-マティ・ラトバラは自身にとって最初のラリーカーであるトヨタ・カローラAE86をいまも大切に保存しており、自身のコレクションのなかでもとびきりの一台だと語った。
ラトバラは2001年にトヨタ・カローラAE86でキャリアをスタート、2003年に最初に乗ったワールドラリーカーはカローラWRCだったこともあり、昨年末にトヨタとの契約が正式に発表された際、「ここに帰ってきた」と感じていると語っていた。
熱烈なラリーファンでもあるラトバラはこれまでにドライブしたマシンを大切に保存しており、フィンランドのトゥーリにコレクションホール「JMラリー・パルクフェルメ」を建設して、コレクションの一部を一般に公開している。
コレクションホールの側面には「Passion for Rallying」(ラリーへの情熱)、ドアには「Ralliauto Nayttely」(ラリーカーの展示場)と記されている。コレクションには、ラトバラがわずか9歳の時に初めてドライブしたサンビーム・アベンジャー同様、競技に初参戦した時にドライブしたトヨタ・カローラ86も並んでいる。彼は16歳の時、このマシンでラリーに26回出場し、24勝を獲得した。彼がスーパースターの素質を持っていたことは、誰の目にも明らかだった!
「ミュージアムは一般公開を目的としているんだ。誰もがここに来て僕のマシンを眺めることができる。僕は人々に、僕の情熱が何かを見てほしいんだ」とラトバラは語った。
「そのなかでもカローラAE86はとくに大事な一台だ。1600ccの後輪駆動のマシンで、僕たちは16歳の時からラリーに参戦を始め、26戦のイベントに出場し、24回勝利し、残りの2回は2位だった。ステアリングホイールがボロボロだが、実際これは僕が16歳の時に使っていたものだから、かなり古いんだけど、そのまま保存しているんだ」
そのほかのコレクションには、ラリー史上最高のヒストリックマシンの一つである後輪駆動のフォード・エスコートMk2も、当時の2リッター280bhpのBDGエンジンを完備した状態で保管されている。時間が許す時には、ラトバラはこのマシンでヒストリックイベントにも出場しているほどのお気に入りだ。
そして彼がもっとも大切にしている貴重なマシンは、いまやトヨタ・ラリーチームの彼のボスとなったトミ・マキネンが1996年に初めてワールドチャンピオンを獲得した三菱ランサーエボリューションIII、そしてトヨタの最初の黄金時代を築いたカルロス・サインツが1999年にラリー・フィンランドでドライブしたカローラWRCだ。
マキネンのランサーエボリューションの話になると、ラトバラはことさら熱くなる。「世界チャンピオンがドライブしていたマシンを実際に所有できることは、本当に特別なことなんだよ!」