WRC2018/12/26

【TOP10-第9位】アンドレアス・ミケルセン

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツからフル参戦するチャンスを掴んだアンドレアス・ミケルセンは、新天地で悲願のタイトル争いができることを信じて新シーズンをスタートしたが、それは彼の熱い思いとは大きく異なり、彼にとってもチームにとっても期待外れの一年となってしまった。

 その予兆は開幕戦モンテカルロからすでにあった。3位につけていながらオルタネータートラブルでマシンを止めて13位に終わることになった。それでも次戦スウェーデンで3位の表彰台、メキシコでは4位となり、彼は上昇曲線をつかんだかにも見えたが、コルシカではすべてのステージでトップ5のタイムを出すことができずに7位に終わり、まるで風が止んでしまったかのように進撃の歩みが止まってしまった。

 ミケルセンは、グラベルであろうとターマックだろうと好き勝手な動きをするi20クーペのリヤのグリップ不足に悩んでいたと明かしている。だが、テストでいいセッティングを見いだしたかに見えたポルトガルでは、エンジンオイルを失って優勝争いのチャンスを活かすことが出来ず、サルディニアでもトップを走りながらトランスミッションの問題からリタイアとなり、前半の7戦を終えて、チームメイトで選手権リーダーのティエリー・ヌーヴィルからは83ポイントも引き離されることになってしまった。

 ミケルセンは不運な流れを変えたいと願っていたが、フィンランドでもクラッシュ、ドライビングスタイルをグリップのないマシンにあわせようと努力を試みたが、ドイツでは6位という低空飛行に喘ぐことになった。

 トルコではまたしても不運に立ちはだかれて首位から転落。ヒュンダイのマニュファクチャラー選手権と友人であるヌーヴィルのドライバーズ選手権へ貢献したいと誓って出場したオーストラリアでも、道路の真ん中で大きなトラクターと遭遇したことに動揺、クラッシュするというなんとも不運な結果に終わることになった。このトラクターは、ラリーカーの走行によって位置がずれてしまったシケインのストローベイルを元に戻すために用意されていたものだった。

 不振からの脱却を証明するチャンスをたび重なる不運に断たれてきた彼だが、トルコではトランスミッションに問題が発生するまで40秒近くのリードをしたし、グリップの小さいウェールズでもベストタイムを奪っており、復活への糸口はたしかに見えてきた。

 オーストラリアで100戦目のWRCを終えたミケルセンは、101戦目となる2019年モンテカルロでどのような新しいキャリアの一歩を踏み出すだろうか。かつてのように追い風を帆にはらんで勢いに乗るようなシーズンを期待したい。

■アンドレアス・ミケルセン
生年月日:1989年6月22日(29歳)
選手権ランキング:6位
獲得ポイント:84点
ベストリザルト:3位
優勝回数:0回
2位の回数:0回
3位の回数:1回
表彰台回数:1回
出場回数:13回
ベストタイム回数:13回
リードしたステージの数:11SS
リタイア数:0回
ラリー2の回数:4回
パワーステージ勝利数:0回
パワーステージ獲得ポイント:11点