WRC2018/04/30

アルゼンチン、ラリー後記者会見

(c)Toyota

(c)Hyundai

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−オット、おめでとうございます。圧倒的な勝利でした。トヨタでの初優勝、そしてキャリア3勝目です。伝統的なラリー・アルゼンチンで勝利する気分はどうですか?

タナク:「これまでとは全く異なる気分だ。僕たちがサルディニアとドイツで勝利した時は接戦だった。最後までプッシュしなければならず、最終ステージまで自信がなかった。だが今回は全く違っていた。僕ははじめ、最初のステージの後は、あまり良いとは思わなかった。自分たちの持てるすべてを出したと思ったが、僕たちはかなり遠くにいた。僕たちはステアリングに若干の問題を抱え、それはあまり良くなかったが、ロードセクションの後でマシンを修理することができた。その次の2つのステージで、僕たちはほぼすべてのタイムを取り戻した。調子を取り戻した後は、リードを築くために懸命にプッシュしなければならなかった。当然あまり不平を言うことはできない。今週末、僕たちは本当に良いパフォーマンスができるマシンを持っていた。それが大きな自信となり、激しくプッシュすることも容易だった」

−金曜日のミスの後、その時点で「もうおしまいだ。表彰台のチャンスは消えた」というふうには思わなかったのですか?

タナク:「僕はその瞬間、マルティンに『壊れた。何かが壊れた』と言ったんだ。実際、何かにヒットしたからね。だが何をヒットしたのか理解できなかった。ペースノートにも何も書いていなかったので、2回目のループでそこへ行ったとき、何があったのか探したが、それでも何も見つけられなかった。だから少し混乱したが、マシンが頑強だったことをうれしく思う。この後はすべて非常にスムーズにいった。マシンは素晴らしいパフォーマンスだった」

−今週末、自身100回目のWRCステージ勝利を獲得するなど、ステージ勝利を多く挙げています。ペースには満足していますか? すべて完璧にいっていた時、マシンはどのように感じましたか?

タナク:「たぶん多かれ少なかれ、ラリーの間に何も変えなかったのは僕のキャリアの中で初めてのことだ。僕はシェイクダウンの間に小さな調整を行なったが、1回目の走行の後はすべてがまったく同じだった。時には不満なしにサービスに戻ってくるのは難しいこともあった。それは簡単な感情ではない」

−この勝利によってチャンピオンシップで3位に立ちました。チャンピオンシップの挑戦をどう感じていますか? 徐々にトップに近づいています。タイトルの可能性についてはどう思いますか?

タナク:「僕は間違いなくプッシュし続けるだろう。僕は最初から自分がプッシュし続けると知っていたので、何も新しいことはない。新しいチームなので学ぶことが沢山あり、少し複雑なことは知っていたが、明らかに僕は満足している。僕たちは非常に迅速に慣れてきていて、チームワークは本当にうまく機能している。僕は大きなサポートを得ているし、すべての人々が本当に僕を強く後押ししてくれているので、僕も彼らを同じようにプッシュしている。チームの協力は本当にうまくいっている。多くの人々が自分を支え、とても熱心に後押ししてくれることは、素晴らしい気分だ。僕はチャンピオンシップが可能であることを願っている。そして現時点では、マシンのパフォーマンスも届いているように思える。僕がそれを得るために彼らをプッシュし続けることは確かだ」

−マルティン、今週末はとても穏やかに簡単に勝利を手に入れたかのように見えましたが、実際はそうではないですね?今の気持ちはどうですか?

ヤルヴェオヤ:「あなたが言った通り、簡単に見えたが、僕たちはすべてのステージをプッシュし、最後のステージまで、パワーステージでさえも、プッシュしているようなものだった。トミとチームにも大きな感謝を述べたい。彼らはすばらしい仕事をしてくれた。そして地元の観客も非常に素晴らしかった。彼らが実際どれほど熱狂的か言い表すのは難しい」

−あなたは迷信深いほうではないと知っていますが、3勝それぞれで何が起こったのか教えてください。

ヤルヴェオヤ:「実際のところ、最終ステージを終えた後、ロードセクションで僕はオットに、このラリーのために新しい時計を買ったと言ったんだ。そして僕はサルディニアとドイツでも新しい時計を買っていたので、次のラリーのためにまた新しい時計を購入するかもしれない。それは高価だ。高価な迷信だよ!」

−ティエリー、アルゼンチンの結果には満足していますか?

ヌーヴィル:「コルシカの時よりハッピーなことは間違いない。今週末、僕たちはペースを取り戻し、それがすぐにタイムに反映されたので良かった。ラリーが厳しいものになることは分かっていたので、最初はちょっと慎重にスタートしたが、最初のステージで多くのことが起こり、そこでようやく、ここからは自分のリズムで行こうと決め、必要なときにプッシュをし始めた。実際、今週末はずっとそうした。快適に感じる時は何かするべきだと知っていたので、僕は霧の中で思いっきり攻めて、タイムは良かった。僕たちは満足しなければならない。チームは今週末も素晴らしい努力をしたし、マシンも完璧な走りだった。オットも言ったように、ラリー中にあまり変更がないということは、このようなときにはマシンが快適だということなので、素晴らしいことができる」

−今週末最も難しいことはなんでしたか? ステージか、それとも天気か、昨日の霧ですか?

ヌーヴィル:「なんだろう。最も難しいのはパンクを避けることだったと思う。深い轍とたくさんの石があった。轍があれば、コーナーでもっとスピードが出せるので、強くプッシュしたくなるが、しかし、ホイールはリムから簡単に外れてしまうし、良いバランスを見つけることが容易ではないことも知っている。今週末はそれが分かっていた。だからこそ、僕たちは何のトラブルもなく、パンクもなく、何も壊れず、一貫性を保つことができた。そしてアルゼンチンでは、安定した走りが鍵となる」

−ニコラ、コドライバーの役割は、どのステージにおいても大変重要ですが、視界が悪い場合にはさらにそうです。霧の中ですべてが正しければならないというプレッシャーを感じましたか?

ジルスール:「勿論そうだ。霧の中は本当に大変だ。僕たちは極限のコンディションには慣れていないと言わなければならないし、霧に特化したメモを持つことは非常に難しいが、その点において僕たちはプロフェッショナルであり、それが僕たちの仕事だ。僕たちは自分自身を信頼し、それを行うことができた。僕たちは集中の度合いを上げ、ただ挑まなければならない。通常僕たちはそれがあまり好きではないが、やらなければならないので、自分たちがしたことを非常に誇りに思う。とてもよかった」

−2017年は非常に接戦でした。今シーズンの終わりも、タイトル争いは接戦になると思いますか?

ジルスール:「確かにどのマシンも強いように見える。みんな本当に一貫しており、コースオフしたマシンも少ない。チャンピオンシップは面白くなるだろう。すべてのポイントが重要なので、僕たちは集中しなければならない」

−ダニ、とても力強いパフォーマンスがラリー・アルゼンチンで3回目の表彰台をもたらしてくれました。チームにとっても素晴らしい結果となりました。今週末についてはすべて満足していますか?

ダニ・ソルド:「順位には満足しているよ。今週末、オットだけは別次元にいたかな。僕にはティエリーとクリスとの戦いだった。この週末の間、僕はすごく進歩できた、それが重要なんだ。こうしてヒュンダイが2台、ポディウムを獲得できた、それは非常にいいことだ」

−昨日はあなたにとって力強い一日でした、かなりペースに乗れていましたね。午前中のステージのこと、それがどんな感じだったか話してくれますか?

ソルド:「正直、霧の中でちょっとタイムを失った。本当にドライブするのが困難だった、もちろん、それは誰にとてもそうだったけどね。でも僕にはあまり気持ちのいいものではなかったよ。ロングステージでの方がペースがずっと良かった。タイヤのマネージメントをしっかりとやって、楽しむことができたよ」

−ポルトガルでは、ヒュンダイは4台体制となりますが、あなたがシーズンをフルに戦わない状況で、こういうパフォーマンスと、そして安定した走りが、うまく作用すると思います?

ソルド:「4台は面白くなりそうだ。このうちポイントを獲得できるのはふたりだけ、あとは重要ではないということ。ポルトガルではプッシュしていくつもりだ。皆にとっても面白いラリーになる、他に参戦するものが増えるし、ヤリ-マティも後方のスタート順になるしね」

−このラリーについて全体の雰囲気についてはどう思いますか?

ソルド:「本当に素晴らしかった、すごかったよ!いつも通りにね。たくさんの人が、ステージではしっかりと配置されている、ただ正直なところ、今日のステージでは驚かされたよ、以前とは同じ数の人ではなかったからね。聞いたところによると、道路やその他をカットしたらしい。これまではだいたい、エル・コンドルとミナ・クラヴェロに着くと、道路脇がクルマでぎっしりだったけど、今年に関してはそれがなくてちょっとさみしい気もした。主催者が、道路や、そういった部分がどういう意図でカットしたのかは分からないけど、なんか妙な感じだった。他も皆、同じように感じていたと思う、これまでよりも人の数が多くないと」

ヌーヴィル:「今年は断然良かったと思う。主催者たちが本当に良くやってくれた。これまで問題になったこともあったけど、今年に関しては、まだ改善の余地がある数カ所を除いては、安全性が非常に良く保たれていて、とても快適だった」
−二人がとても自信を持ってステージに出て素晴らしいタイムを刻んでいるのを見ることができて本当に良かったです、こうして競技を終えて満足していますか、カルロス?

カルロス・デ・バリオ:「そうだね、とても嬉しいよ、僕にとって前回のアルゼンチンでの思い出はあまり良いものではなかったから特にね。僕が前回参戦したのは5年前だった。ペースノートを読み間違えて僕たちはシトロエンで横転してしまった。だから今日はそれをすべて吹っ切ることができた。この週末、チーム全体が素晴らしい仕事をしてくれて、今この場所で、次のポルトガルに向けて期待が持てることを本当に嬉しく思っている」

−また一つ、グラベルのイベントで、そこにも熱狂的なファンが大勢待っていますね。

デル・バリオ:「本当にそうだね。僕たちは競争力の高いパッケージと、優秀なドライバーやコドライバーと、そしてこのチームが揃っているから決してドラマというわけじゃない。最初の1kmから十分に戦っていけることは間違いない、それは自分たちにもファンにとっても素晴らしいニュースだ」

—トミ、チーム、そしてオットにとってなんていう素晴らしい週末でしょうか!このチームが強力で競争力の高いクルマを作り上げたという証明です。

トミ・マキネン:「数年前にもこの同じような感覚を味わった覚えがある。今、我々にはこれからも歩み続けていくためのすべての要素が揃っている。この組み合わせについては私はよく知っている。ドライバーにクルマ、それとともに、それに高い信頼、勝ち続けていくために必要とされるすべての要素だ」

―オットは今年のタイトルに照準を合わせているようですね。彼がそのタイトルを獲るために必要とするすべてを提供していくことはできるのでしょうか?これからチームの仕事がますます大変なりそうですが。

マキネン:「チーム全体にとってそれは重要なことだった。我々はこれまで懸命に取り組んできた厳しい年月を過ごし、全員が学び、そして開発を続けていくために相当な努力を重ねてきた。ここにたどり着いたことはそんなチームの皆のためとなり、そしてそれを続けていくために彼らはさらに努力を重ねていく準備ができている、とも私は言えるだろう」

―これほど圧倒的な勝利を目にして、チームとして最高に士気が高まるということになりますね。あなたがオット・タナクとの契約した時、彼が潜在的に世界王者になれると信じていたということですね。それは今年という可能性もありですか?

マキネン:「まあそれはもちろん、まだまだこれからシーズンは長い、ぞしてさまざまなタイプのラリーが控えている。タイトルを獲るということの意味は僕は理解しているよ。それは相当なチームワークを意味し、それは今まさに我々のもとに起きている現実でもある。だが、もちろん、あまりツキに恵まれなかったこれまで数戦のラリーも実際に見てきた。コンディションはさまざまであり、そこに運も関わってくる。何が起きるか分からない。どんな可能性もそこに存在する。私としては、シーズンの最後まで、皆によるビックファイトを期待したい。そしてモータースポーツ全体にとってベストな状況を願っている」

(記者会見会場からの質問)
―金曜日の最初のステージでは、2分間隔でのスタートとなっていました。これは主催者による危険なミスだと感じましたか?

タナク:「コンディションがどういう状態になるのか、ステージの前に判断するのは難しい。確かに、ところどころ走行に危険な場所はあったし、視界不良で難しい状況だったけど、それでも、主催者側は非常に優れた対応で、2つ目のステージには3分間隔に設定されていた。その後はすべて良好だった」