ナッサー・アル-アッティーヤがダカール・ラリー2026で総合優勝を飾り、ルーマニアの自動車メーカーであるダチアに初の栄冠をもたらすことになった。
中東サウジアラビアの砂漠と荒れた岩場を舞台に開催されたダカール・ラリーは1月17日、2週間に及んだ競技の最終日を迎え、ダチア・サンドライダーを駆ったアル-アッティーヤが6度目のダカールでの総合優勝を飾り、ステファン・ペテランセルの持つ総合記録まであと2勝に迫ることになった。
3日にスタートした序盤はフォード勢とトヨタ勢がステージ勝利を奪い合う混戦のなか、アル-アッティーヤが静かに追いかけながらもステージ6で12分もの大差をつける爆発的な速さをみせて、前半戦を総合首位を終えることになった。
しかし、後半戦のマラソンステージの初日となったワディ・アド・ダワシルからビシャまでのステージ9は、今大会もっとも波乱見舞われた1日となり、優勝候補の多くのドライバーがトラブルに遭遇、アル-アッティーヤもまたナビゲーションのミスにより大幅なタイムロスを喫して総合3位に後退することになった。
このドラマに満ちた一日を終え、劇的な展開により総合順位は完全に塗り替えられ、2度のダカール王者であるナニ・ローマ(フォード・ラプター)が首位に立ち、チームメイトのカルロス・サインツ(フォード・ラプター)が1分近くの差で続き、フォード・レーシングが1-2体制を築き、総合優勝に近づくかにも見えた。
だが、フォードの二人はその翌日にそろって砂丘でコースを見失い大きくタイムをロス、ローマは総合3位にとどまったものの、サインツは優勝争いから脱落、アル-アッティーヤがふたたび首位をとりかえすことになった。
ここで総合2位に浮上したトヨタのヘンク・ラテガン(トヨタDKR GRハイラックス)にも総合優勝のチャンスが生まれたが、彼はステージ11で、小さなボルトの破損からホイールベアリングが完全に壊れてしまい立ち往生、優勝のチャンスは失われてしまった。
これで優勝争いはアル-アッティーヤとローマの2人に絞られることになった。ローマにとって2014年以来となる3度目の優勝のチャンスもあるかに見えたが、彼はステージ12でフロントサスペンションを壊してチームメイトの支援を借りることになり、アリ・バタネンとステファン・ペテランセルに並ぶキャリア通算50回目のステージ優勝を果たしたアル-アッティーヤが初勝利に王手をかけることになった。
そして迎えた最終日、105kmをステージ13でもアル-アッティーヤは快調なペースを刻み、最終的にローマに9分42秒の差をつけて自身6度目の総合優勝を飾ることになった。
2週間にわたる戦いを終えたアル-アッティーヤは、勝利の喜びに浸りながらもペテランセルが持つダカールにおける8度の最多勝記録に迫ることが次の目標だと語った。
「昨年から懸命に準備してきた。まだ感情を表に出せていないかもしれないが、心の奥底では喜びが溢れているよ。優勝できて本当に嬉しい。最初のマラソンステージの2日目に12分のリードを築いたことが、結果につながったと思う。昨日も重要な日にステージに勝つことができて優勝を確信できた。これで6度目の優勝だ。しかし、まだペテランセルの記録を破る必要があるよ」
短い最終日、わずか29秒差をリードするマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)とセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)の3位争いが注目されることになった。
一度もステージ優勝を飾ることなく、トラブルとの戦いとなったローブは最終日もエクストロームを抜き返すスピードはなかった。エクストロームは総合2位につけて迎えたステージ9でナビゲーションミスによって30分あまりもタイムロス、優勝争いから転落して5位までポジションを落としていたが見事にローブとの対決を制して3位でフィニッシュ、フォードの2台が表彰台を飾ることになった。
2年連続で表彰台を獲得したエクストロームは、2027年こそダカールで優勝するために、2026年のW2RC全戦に参戦したいと誓った。
「表彰台を獲得できたことは嬉しいが、我々は勝つためにここに来た。最初の教訓は、上位陣のレベルが非常に高いため、さらに準備を整えて戻ってくる必要があるということだ。帰国したらボスにフル参戦を許可してもらうつもりだ。ここで戦うには、ナッサーやダチアと同じレベルの準備が必要だ。このスポーツはサーキットレースに似てきており、細部に至るまで細心の注意が必要だ。競争はより激しくなっており、準備がすべてだ。明日から準備に取り組むよ」