Raid2022/04/10

イングラシア、ダカール挑戦を決断

(c)Toyota

 コドライバーとして世界ラリー選手権で8回のワールドチャンピオンとなったジュリアン・イングラシアは、2021年末にWRCを引退してから初めてモータースポーツプログラムを発表した。ミカ・ピサーノと組んで来年のダカール・ラリーに参戦することを目指す。

 セバスチャン・オジエはトヨタGRヤリスRally1の限定プログラムでWRC参戦を継続しているが、イングラシアはオジエの最後のフルシーズン終了時に世界ラリー選手権から引退することを選択したため、オジエはバンジャマン・ベイヤスとコンビを組んでいる。

 昨年以来、イングラシアは競技に参戦していないが、新たな挑戦に意欲を見せている。彼は過去の複数のWRCコドライバー同様にラリーレイドへと活躍の舞台を移す。

「これはWRCとは全く異なる分野なので、両者を比較するつもりはないが、新しいスキルやチャレンジを発見し、発展させるための素晴らしい機会だ」と、イングラシアはラリーメディアのDirtFishに向けて語った。

「もちろんダカールはモータースポーツ界を代表するレースのひとつだが、これまでWRCで忙しいシーズンを送ってきたため、ダカールのことはあまり考えたことがなかった。この数ヶ月は、純粋な競争から離れたことで、考える時間ができた」

「衝撃、ステージの長さ、暑さなど、車内がどれだけキツイ状態になるかを経験し、知りたいと思っている。だから、しっかりとした準備プログラムが必要なのは確かだ。コーチのステファン・オルシエと一緒に取り組んでいくつもりだ」

 オフロードイベントのためにバイクからクルマへと最近スイッチしたピサーノとの初参戦は、今年の世界ラリーレイド選手権第4戦のラリー・アンダルシア(6月7〜12日)となる予定だ。

「できるだけ早く、おそらく4月中に数日、そして5月中にも確実に何日かテストしたい」とイングラシアは考えている。

 イングラシアは、最も困難な挑戦は何になるかと尋ねられ、ラリーレイドイベントで使用される電子ロードブックの習得を課題に挙げたが、ピサーノとのコンビで達成したい目標もあると語った。

「もちろん、ミカと一緒に走るマシンのタイプも重要だが、できるだけ早く、そして多く学びたい」とイングラシアは語った。

「そのためには、2輪のライダーとしての経験を持つミカが大きな助けとなるだろうし、表彰台を目指したい」

「ミカと一緒に戦略を立て、セルフコントロールを続けることが、トリッキーな状況から抜け出す最善の方法であることを決して忘れないようにしたい」