WRC2021/11/24

イングラシア、喜びと感動でキャリアを終えて本望

(c)Toyota

 ジュリアン・イングラシアは、セバスチャン・オジエとともにACIラリー・モンツァでの優勝を達成するとともに8度目のワールドチャンピオンに輝き、コドライバーとしてのキャリアにピリオドを打った。

 オジエとイングラシアの2人のラリーキャリアは、2006年にボラン・プジョーへの参戦に始まった。2008年のラリー・メキシコにおけるWRC初参戦以来、WRC通算168戦の出場、54回のWRC優勝、8度のワールドチャンピオン、そのすべてを二人はともにしてきた。

 オジエは来季も限定的な参戦ながらキャリアを続けるのに対して、イングラシアは今季をもってコドライバーからの引退を表明しており、8度目のタイトルがかかった最終戦モンツァはまさしく二人にとってのキャリアの集大成ともいえる一戦となった。

 イングラシアは、最終ステージでフィニッシュしたとき、涙を抑えることができず、ヤリスWRCのルーフでなんども両手を高々と挙げて吠えた。

「セブと一緒にいられて本当に幸せだった。僕にとって頂点に立てたことは純粋に喜びで、この喜びと感動をもって自分のキャリアを終えたいと思っていた」とイングラシアは語った。

「セブと出会って最初の一歩を踏み出し、初めてのペースノート、初めての表彰台、初めての優勝を共にしてからの15年間、僕たちは素晴らしい仕事をしてきた。簡単ではないこともあった。それでも僕たちは常に一生懸命に取り組み、目標はトップに到達することだということを決して忘れなかった。頂上に到達した後は、頂上にとどまるというさらに難しい仕事があった」

「僕たちはモンツァにもこのスピリットで臨んだ。一生懸命、真剣に取り組んできた。僕としては、周りをすべてシャットアウトして自分の殻にいることで、何かが入りこんだり邪魔したりされることなくチャンピオンシップを勝ち取ることができた。これで、任務完了だ」

「なんという冒険だっただろう。ここにいるのはキャリアの中でずっと一緒に戦ってきた仲間たちだ。彼らに囲まれて表彰台でこの旅を終えるのは嬉しいね。この素晴らしい旅を続けられたのは、みんなの素晴らしいスピリットがあったからだ。困難な状況に直面しても、お互いが常に敬意を払うことを皆が理解している。ありがとう。これこそが、僕がやりたかったスポーツだ」