ERC2024/07/07

エストニア、母国勝利を狙う2人が激しい首位争い

(c)RedBull Content Pool

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 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第4戦のラリー・エストニアは、地元出身のロベルト・ヴィルヴェス(シュコダ・ファビアRS Rally2)とゲオルグ・リンナマエ(トヨタGRヤリスRally2)の2人がホームでの優勝をめぐって激しく争っている。

 23歳のヴィルヴェスと25歳のリンナマエは仲の良い友人同士であると同時に好敵手だ。先週のWRCラリー・ポーランドでもヴィルヴェスが最終ステージの逆転劇でWRC2の初表彰台を獲得したとき、2人のエストニア人の差はわずか0.6秒だった。

 金曜日の夕方、タルトゥで行われたオープニング・スーパースペシャルでヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)がトップタイムを奪ってラリーは開幕したものの、土曜日になって本格的な高速ローラーコースターのステージが舞台になるや、エストニアの2人がトップを争うことになった。

 土曜日の朝の最初のステージのラーニッツァでリンナマエが4.2秒差でトップに浮上、ヴィルヴェスは片側2輪が浮き上がってヒヤリとさせられる瞬間やジャンクションでのスピンにもかかわらず3.7秒差の2番手で続くことになった。

 ヴィルヴェスは突然の雨となったカラスキのステージでその差を1秒へと縮めたあと、連続して走るラーニッツァとカラスキのステージで連続してベストタイムを奪い、リンナマエに1.5秒差をつけてラリーリーダーとしてミッドデイサービスへと帰ってきた。

 午後のステージもときおり小雨が降り、グリップレベルが不安定となるなか、2人のエストニア出身ドライバーの戦いが続く。リンナマエはSS6カネピでリードを奪い返し、SS7マエキュラのベストタイムでライバルに4秒差をつけてみせる。しかし、最後のリピートステージを前にニュータイヤを装着したヴィルヴェスがペースをアップ、SS9マエキュラでトップに返り咲くや、最終ステージのSS10エルヴァリンでもリードを広げ、リンナマエに1秒差をつけてレグ1をトップでラリーを折り返すことになった。

「公平を期すなら、楽しむことのほうが重要だ。なぜなら、そのほうが物事がうまくいくことが多いからだ。自分のホームイベントで戦うことに余分なストレスはないよ」とヴィルヴェスは語っている。

 一方、リンナマエも最後まで友人との優勝争いを楽しむつもりだ。「彼は賢明で、このループにニュータイヤを使った。僕らにとっては、このステージの古いタイヤではチャンスがなかった。仲の良い友人と戦えるのはとてもエキサイティングだ。でも、最終的に僕らがトップに立てればそれでいいんだ!」

 トップから25秒遅れの3位にはニコライ・グリアジン(シトロエンC3 Rally2)が続くが、0.1秒遅れの4位にはミッコ・ヘイッキラ(トヨタGRヤリスRally2)がつけている。

 ミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRS Rally2)は、不安定なグリップに苦しんで午後のループでポジションを1つ落として5位につけており、難しいコンディションのなかマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)が6位まで順位を上げてきた。

 ディフェンディングチャンピオンのパッドンはラリーリーダーとして金曜日をスタートしたが、SS2のジャンプでノーズから着地、ラジエーターにダメージを負って17位まで順位を落としてしまった。SS3の激しい雨の中では、冷却水を管理してサービスに戻らなければならなかったにもかかわらずトップタイムを記録。しかし、そのあとは金曜日の予選のミスで4番手のロードポジションでだったため、路面のグラベルやわだちの水たまりで苦戦を強いられて7位となっている。チャンピオンシップのライバルであるマティユー・フランセスキ(シュコダ・ファビアRS Rally2)は9位につけている。

 ジョン・アームストロング(フォード・フィエスタRally2)は7位につけていたが終盤のオフによってパンク、11位まで順位を落としてしまった。

 また6位につけていたマルティンシュ・セスクス(トヨタGRヤリスRally2)も同じステージでかき出された石によってパンク、タイヤ交換によって18位まで後退してしまった。

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの山本雄紀(トヨタGRヤリスRally2)は安定したペースを続け、フィンランド・チャンピオンのテーム・アスンマー(シュコダ・ファビアRS Rally2)に続く13位でレグ1を終えている。

 また、小暮ひかるは前戦ラリー・イタリア・サルディニアでのアクシデントの際に鎖骨にヒビが入っていたことがのちに判明、レッキには参加したものの大事をとってエストニアは出場を取り止めている。