トヨタのエルフィン・エヴァンスは先週木曜日、ラリー・デ・エスパーニャの象徴的なスペシャルステージの一つだったリウデカニエスでハンコック・タイヤの開発テストを行った。
新たに韓国のハンコック・タイヤが2025年から3年間にわたってWRCのRC1、RC2、RC3クラスのコントロールタイヤに決まっており、今季これまでに選ばれたドライバーによってハンコックのタイヤ開発プログラムのためのテストが複数回にわたって行われてきた。
エヴァンスはギリシャでの忙しいラリーウィークを迎える前に、先週木曜日にスペインに向かい、かつてラリー・デ・エスパーニャが開催されていた時のターマックステージにおいてトヨタGRヤリスRally1のステアリングを握って忙しい一日を過ごしている。彼は4月にクロアチアのターマックですでに一度、ハンコックのターマック・タイヤのテストを行っており、そこで得られたデータやフィードバックをもとに改良されたタイヤの確認作業が今回行われたものと見られている。
ラリー・デ・エスパーニャは過去2年間、WRCカレンダーに含まれていなかったが、来年はカナリア諸島のターマックに舞台を移してカレンダーに復帰することになっており、2026年以降、カナリア諸島とカタルニアで交互にWRCが開催される可能性もあるとされている。
ハンコックのテストはすべてのドライバーが行うわけではなく、あくまでも各チームに許されたテスト日数外での走行の扱いとなる。終盤戦にはまだターマックラリーが2戦残されており、今回のテストがそれらのプレイベントのためのテストとならないように、ハンコックのテストではセットアップの調整が禁止されており、ほかのドライバーとの公平性を保つようFIAによって監視がされている。
エヴァンスはラリー・フィンランドで惜しくもポイントを逃したことにより、ドライバー選手権では4番手に後退、トップのティエリー・ヌーヴィルから32ポイントの差をつけられたが、出走順が有利となった今週のアクロポリス・ラリーでは巻き返すチャンスがあると信じている。
「アクロポリスはタフなコンディションが予想されるラリーだが、それでもペースがかなり速いことも特徴となる。長い一日を含む長い一週間なので、耐久力が求められる上、気温がかなり高くなる可能性もある。昨年は土曜日にマシンにダメージを負ってしまったが、何とか表彰台までたどり着くことができたし、今回もいつも通り全力を尽くして臨み、可能な限りベストな成績を目指したい」とエヴァンスは語っている。
「前戦のフィンランドは、明らかに計画通りに行かなかったが、少なくともギリシャは、今年ここまでのグラベルラリーではおそらく自分たちにとってベストな出走順になるはずなので、それを最大限に活かす必要がある」