WRC2020/03/29

エヴァンス、僕が望んでいるのはもっと高いところ

(c)Toyota

 エルフィン・エヴァンスは、トヨタGAZOOレーシングWRTとともに迎えた今シーズン、際立った活躍を見せて好スタートを切ったかに見えるが、彼が望んでいたものはもっと高いところにあると語っている。

 これまでWRCでのキャリアを通してMスポーツのもとでフォード・フィエスタWRCを走らせてきた後、今年からトヨタ・ヤリスWRCにスイッチしたエヴァンスは、開幕からの3戦を終えて選手権で2位につけている。

 ヤリスでのデビュー戦となったラリー・モンテカルロでは、彼は16のスペシャルステージのうちの半分近くをリードし、最終的に3位でフィニッシュしている。スウェーデンではスタートからトップに立ちそのまま勝利を収め、メキシコで4位に入り、ここで勝利して選手権リーダーとなったチームメイトのセバスチャン・オジエに8ポイント差で続いている。

 エヴァンスはそのパフォーマンスについて称讃を受けているが、wrc.comからの質問で、開幕からの3つのラウンドに関して彼のプレシーズンの期待を上回るものだったのかと聞かれ、彼はノーだと答えている。

「もちろん上位にいたいと思うし、その場所にいたいから常にそれを目標としているわけだ。だから上回っているかと言えば、その答えはノーだ! でもこれまでの自分の実績を考えたらそのようにとってしまうかもしれないね」

「昨年からすでにかなり期待できる兆しはあったけど、こうしてそれがうまく噛み合ってくれて嬉しいよ。確かにまだまだ取り組みが必要な部分もいくつかあるけど、今のところうまく機能しているようだ」と彼はつけ加える。

 今月行われたラリー・メキシコを前にエヴァンスは自身のキャリアで初めて経験する選手権のトップに立っている。そのため彼はイベントの1日目を通して各ステージを1番手で走行してルースグラベルの道路を切り開き、後続のドライバーたちに速く走れるラインとさらなるグリップを提供する役割を担うことになった。

「全体的にはまずまず順調にいったと思うよ。チームも、彼らのこれまでに持っていた情報と比較してかなり満足したものになったから、朝のループは限りなくベストな出来になったというような感じがしていた。まだわずかに改善の余地もあったけど、全体的には良かった」と彼は説明している。

 エヴァンスは、ファイナルレグでリヤを岩に接触させた衝撃でステアリングにダメージを負ってしまい、フロントダクトへのダメージによってブレーキングに支障が出てしまったために3戦連続のポディウムへの挑戦は断念せざるを得なくなってしまった。それでもエヴァンスはこの結果を冷静に評価している。

「初日に道路掃除をしてメキシコで4位という結果はそんなに悪くない。チーム力の高さとクルマの強さも証明されたと思う」