WRC2024/09/09

オジエ、「タイヤはちぎれかけていた」

(c)Toyota

 セバスチャン・オジエは、アクロポリス・ラリー・ギリシャの最終ステージでクラッシュを喫したことによって、9度目の世界タイトルが少し遠のいたと認めながらも、残り3戦で全力を尽くすつもりだと語った。

 オジエは金曜日、アクロポリス・ラリーの主導権を握ったかに見えたが、ターボのトラブルで2分30秒近くを失って優勝のチャンスを逃すことになった。彼はそれでも最終日、スーパーサンデーの最高ポイント獲得をめざして猛プッシュ、タイトル争いのライバルでもあるティエリー・ヌーヴィルに次ぐ2位でラリーをフィニッシュするかに見えたが、パワーステージをスタートしてわずか1.59kmでパンク、マシンを横転させることになった。

 最終ステージで何が起こったのか、オジエは次のように説明している。

「コースはそこらじゅうが岩だらけで、びっしりと岩覆われた路面を走らなければならなかった。そこでは正しい岩にぶつかるか、正しくない岩かどうかは数センチの問題だった」とオジエは語った。

「300m先のブレーキングでパンクに気づいたときは、予想が甘かった。クルマを減速させることができず、アンダーステアになって横転してしまったんだ」

 オジエのマシンは観客たちの助けですぐに起こし上げられたが、彼はパンクしたタイヤの交換だけではなく、破損したサスペンションを修理しなければならなかったと語った。

「タイヤ1本が(サスペンションから)ちぎれかけていて、リスタートのチャンスはないようにも見えた。直せる自信はなかったが、幸運にもうまく直すことができたので、ゆっくりとゴールをめざした。チームのためにできることを取り戻すことができた」

 オジエはけっきょく23分をここで失い、総合16位でフィニッシュすることになり、もちろんスーパーサンデーもパワーステージのポイント獲得のチャンスは吹き飛んでしまった。それでも、もしここでリタイアとなっていたら、土曜日までに確定させていた13ポイントを失うことになってはずだ。

「(タイトルへの望みは)今ではあまり良いものではなくなったし、望んでいた方向に進まなかったのは確かだ。多くの面で完璧に近かったが、ラリーでは最後まですべてを出し切らなければ意味がない。すべての責任は僕にある」

 オジエは前戦のラリー・フィンランドでシーズン3勝目を飾って選手権リーダーのヌーヴィルから27ポイント差のランキング2位につけていたが、ギリシャを終えて38ポイント差の選手権3位に後退している。

「この週末は運の要素が大きな役割を果たした。このスポーツが自分の思い通りにならないことがあるのは、何年もやってきてよく分かっている。次の3戦でも、自分のベストを尽くして戦い続けるつもりだ」