2022年世界ラリー選手権(WRC)第6戦サファリ・ラリー・ケニアが6月23日木曜日に開幕、トヨタGAZOOレーシングWRTのセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)が初日のリードを奪っている。
サファリ・ラリーは今年も伝統に従ってケニアの首都ナイロビにあるKICC(ケニヤッタ国際会議場)でセレモニアルスタートが行われ、サファリ・ラリー開催の最大の推進者であるウフル・ケニアッタ大統領がスタートフラッグを振り下ろすなか、ラリーカーが次々とスタートした。
セレモニアルスタートのあと、2台併走によるスーパーSSカサラニ(4.84km)がナイロビ郊外で行われてラリーは開幕した。この週末のハイライトの一つとして、今季の開幕戦ラリー・モンテカルロで激しいバトルを演じたオジエとセバスチャン・ローブ(フォード・プーマRally1)の対決が再現されることに期待がかかるが、主催者はこのスーパーSSの7組目として二人の王者の対戦を用意した。
昨年もこのスーパーSSカサラニを制したオジエは、ローブを1.8秒引き離すとともにベストタイムを奪ってラリーをリードすることになった。それでも彼は明日からはこれほどスムースに事が運ぶとは思っていないようだ。「素晴らしいスタートセレモニーのあと、明日からが大きなチャレンジになる。本当に荒れそうだからね。荒れるラリーは好きではないけど、何とか乗り切ろうと思う」
0.6秒差の2番手タイムにはティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)、1.1秒差の3番手にはオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)、1.2秒差の4番手にはエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)が続き、上位陣は僅差だ。ローブは明日からの難関を前にハードな走りはせず、エヴァンスから0.6秒差の5位、昨年のサファリ・ラリーでWRC初表彰台を獲得した勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)がローブから0.1秒差の6位につけている。
このスーパーSSにはサファリ特有の困難なセクションはなく、フラットな路面をもつスタジアムセクションが特徴だったが、選手権をリードするカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)にヒヤリとした瞬間が待っていた。
ロヴァンペラはスタート直後、長い直線のあとの最初のコーナーでオーバースピードのためにアウト側のバンクをヒット、あわや転倒しそうになってしまう。彼は右リヤ・タイヤがリムから外れてボディにもダメージを負ったものの、幸いにもコースへ復帰、首位のオジエからは11.6秒の差をつけられた11番手で初日をスタートすることになった。
「ブレーキングがちょっとぎりぎりだったんだ」とロヴァンペラは語った。
「でも、タイヤがパンクしてしまって、とても残念だった。長いラリーなので、あまりロスしないようにしたい。これからは残りの週末に集中しなければならない」
初日を終えて7位にはクレイグ・ブリーン(フォード・プーマRally1)、8位にはガス・グリーンスミス(フォード・プーマRally1)、9位にはオリヴァー・ソルベルグ(ヒョンデi20 N Rally1)、アドリアン・フールモー(フォード・プーマRally1)というオーダーとなっている。
クルーたちはこのステージのあと、ナイロビ-ナクル・ロードをサービスパークがおかれるナイバシャ湖にむけておよそ100kmを移動、ナイトホルトのあと明日の金曜日から湖の北側と南側に待つ過酷な舞台へと挑む。