WRC2021/01/26

オリヴァー、最終ステージのオフでクラス3位失う

(c)Hyundai

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 オリヴァー・ソルベルグは、先週末のラリー・モンテカルロにおけるヒュンダイi20 R5での世界ラリー選手権デビューは総合10位、クラス3位でのフィニッシュを目前にして最終ステージのコースオフで終えることになった。

 19歳のオリヴァーは今季、ヒュンダイ・モータースポーツNに加入、世界で最も複雑なラリーのひとつであるラリー・モンテカルロにおいてチームでのWRC2参戦プログラムの緒戦を迎えている。今季のWRC2は7戦にノミネートしてそのうち6戦のベストが有効ポイントとなるため、オリヴァーはギャップを舞台にしたラリーにはWRC2にはノミネートせず、将来にむけた経験を積むためにフレンチアルプスの戦いに挑むことになった。

 今年のラリー・モンテカルロは、ドライ、ウエット、氷、雪、スラッシュ、そして太陽の光と、様々なコンディションが待ち受け、コーナーごとに異なるグリップレベルを要求するなか、ソルベルグは新しいマシンとピレリ・タイヤでの走りを少しずつつかみ、2日目には大きなスピンで遅れながらも最終日をRC2クラス4位出迎えることになった。

 ソルベルグは、日曜日のオープニングSSピュジュ-テニエ〜ラ・ペンヌ
では総合でもWRカー勢に食い込む4番手タイムを奪うなど速さをみせてRC2クラスの3位へとポジションを上げたが、最終ステージのブライアンソネ〜アントルヴォーでスライドしてコースオフ、コロナ禍での開催となった今年は観客の助けを借りることもできなかったためリタイアとなってしまった。

「僕らは経験を積むためにここに来たんだ」とオリヴァーは語った。「もちろん、いつものようにハードにプッシュして良いタイムを出したかったし、それができたと思う。ゴールしたかったし、今日の午後にモナコに戻れなかったのは非常に悔しいが、それは小さなミスだった」

「マシンは問題ないし、もう少し周りに人がいればゴールできたかもしれない。OK、たまにはこんなこともあるよ。このことはあまり考えないように、ポジティブなことを考えようと思う」

「日曜日の第1ステージでのタイムは本当にクールだったし、総合4番手のタイムというのは特別なものだった。それまでは、コーナーに行くたびにグリップはどうなるのか? と恐る恐るの走りだったけど、土曜日の最終ステージでも総合5番手タイムだったし、良かったリズムを見つけてグリップの変化に対応することができた。そこまでは本当に素晴らしいスタートだったんだ!」

 オリヴァーのモンテカルロでの速さは彼だけで成しえたものではない。彼はクルマを走らせている2Cコンペティションチーム、そしてコドライバーのアーロン・ジョンストンに素早く敬意を表している。そして、彼がアイスノートクルーのメンバーとして挙げた名前に世界中のファンは驚くことになっただろう。なんと、1988年のモンテウイナーであるブルーノ・サビーと、23回モンテの出場経験をもち、2年前にはアメリカのARAシリーズでペースノートを読んでもらったことがあるドニ・ジローデという豪華なメンバーだ。

「このラリーはチーム全体にとってとてもハードなものだった、アーロンは素晴らしい仕事をしてくれた。ノートを読むだけでなく、ブルーノやデニスからの情報を取り入れるために常に変更を加えていた。みんなには本当に感謝しているよ。これは正真正銘のチームワークだった!」

「正直、経験のないままこのラリーに参加するのは少し難しいと思っていた。新しいクルマを学ぶときには、コンディションが良くて安定していることが理想的だが、今回のモンテはこれ以上ないくらいそれとはかけ離れたコンディションだった。金曜日にはグラベルと泥がたくさんあって、ウェールズを走っているような気分になったほどだからね」

「パンクやいろいろな問題があってゴールできなかったことは残念だったが、モンテを走ったいま、僕はクルマのことを本当に理解し始めていると感じているよ」