ERC2024/07/29

クルニョーラがERCローマで2連勝

(c)RedBull Content Pool

(c)RedBull Content Pool

(c)RedBull Content Pool

 2024年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第5戦ラリー・ディ・ローマ・カピターレはイタリア・チャンピオンのアンドレア・クルニョーラ(シトロエンC3 Rally2)が2年連続優勝を飾ることになった。

 昨年のラリー・ディ・ローマで圧勝を飾ったクルニョーラは、フィウッジ周辺で開催された今年のイベントでも期待どおりのパフォーマンスをみせて初日からラリーをリードしたが、ラリー・ハンガリー勝者のシモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が0.7秒差の2位で続き、勝負の行方はまったく分からないように見えた

 7度のルーマニア・チャンピオンであるテンペスティーニは土曜日のSS6ではクルニョーラから一時的にリードを奪ってみせたが、昨年のバルム・チェコ・ラリー以来、ほぼ1年ぶりにシュコダで臨むターマックスラリーだったため、最終日はじわじわとタイムを落としてポジションを下げることになった。

 テンペスティーニの後退で、2位にはイタリア選手権でクルニョーラとタイトルを争うシモーネ・カンペデッリ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が浮上することになったが、クルニョーラは最後までを圧倒的なペースをみせて、カンペデッリに22.3秒差をつけて勝利を収めた。

「最高の気分だよ」とクルニョーラは語った。「イタリア選手権のことばかり考えていたので、ラリーをコントロールするのはとても難しかった。このラリーは僕たちの今後のチャンピオンシップにとって非常に重要になる可能性があるからね」

 カンペデッリは最終日の逆転を目指してプッシュする計画だったが、インターコムの故障でスタートダッシュが遮られてしまったと残念そうに語っている。「朝のステージの序盤にインターコムのトラブルがあり、長いステージを集中力を切らさずに走らなければならなかった。チームとしては、この表彰台をとてもうれしく思っているが、優勝したかったので本当に残念だ」

 テンペスティーニは最終的に2022年ERCチャンピオンのエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRS Rally2)に次ぐ4位に後退した。

 このところ苦しいラリーが続いていたヤレーナにとっては、この週末は大きな弾みとなった。スペイン出身のヤレーナは、前戦のエストニアには参戦せず、MRFからミシュランにタイヤにスイッチし、昨年のラリー・イスラス・カナリアス以来となる14カ月ぶりの表彰台を獲得した。

「とても感慨深い」とヤレーナは語った。「(最後に表彰台に上ってから)長い、長い、長い時間だった。あまり良くない時期も僕たちを支えてくれたみんなに感謝している」

 マティユー・フランスキ(シュコダ・ファビアRS Rally2)は5位でフィニッシュし、これまで10ポイント差だった選手権リーダーのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)のチャンピオンシップリードを7ポイントへと縮めている。

 パッドンは序盤では3位につけていたが、路面の温度が高温になる午後のループではタイヤの摩耗に苦しみ、ライバルにリードを許すことになったと認めている。

「悔しい週末だった」とパッドンは語った。「でも、僕たちは全力を尽くしたことを誇りに思うことができる。BRCのみんなには本当に感謝したい。彼らはとても辛抱強かったし、僕はこのチームのみんなと一緒に仕事をするのが大好きだ。僕たちはもっと強くなって戻ってきたい」

 土曜日の朝のステージでキャリア初のベストタイムを奪い、首位まで0.1秒差に迫ったスロベニアのボスティアン・アヴベリ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が7位を獲得し、ラリー・ディ・ローマで2度の優勝経験を持つジャンドメニコ・バッソ(トヨタGRヤリスRally2)が8位、アンドレア・マベリーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が9位、シモン・ワグナー(シュコダ・ファビアRS Rally2)が10位で続いている。

 Mスポーツ・フォードのジョン・アームストロング(フォード・フィエスタRally2)はイベント前、今年のチャンピオンシップで3位に入りたいと語っていたが、トリッキーなターマックに悪戦苦闘し、さらにタイムコントロールへの早着による3分のペナルティによって完全に台無しになってしまい20位でラリーを終えている。

 ステファン・ルフェーブルは、ドイツのヒョンデ・モータースポーツから購入しBMAがプリペアするヒョンデi20 N Rally2が公道走行用に正しく登録されていないことが判明したため、最終日にイベントからの失格判定が下り、1万ユーロの罰金を科された。もっとも、失格が決まった時点でも彼は総合15位と奮わず、「自身がこれまで参戦した中で最もトリッキーなラリーのひとつ」だと表現していた。

 ERCの次戦は8月16日から18日にかけて開催されるバルム・チェコ・ラリー・ズリーンとなる。