ERC2021/10/25

グリアジンに優勝剥奪の厳しい罰

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 ラリー・ハンガリーのスチュワードは、ニコライ・グリアジンがアクシデントでマシンを止めたノルベルト・ヘルツィグの安全を確認しないままラリーを続行したとして15分のペナルティを科すことを決定した。これによりグリアジンはラリー・ハンガリーでの勝利を失って24位に降格、マッズ・オストベルグが繰り上がって優勝することになった。

 ラリー・ハンガリーの最終日、そのオープニングステージでヘルツィグがクラッシュ、ヘルツィグとコドライバーのラモン・フェレンツが救急車で病院に運ばれるというアクシデントが発生している。グリアジンは、ヘルツィグの直後にステージを走行しており、クラッシュしてコース脇にストップしたヘルツィグのシュコダにはOK / SOSプレートがないにもかかわらず走行を続けたことが判明している。

 スチュワードによれば、アクシデントの現場に最初に到着したグリアジンはステージサイドのマーシャルからの警告を誤解していたと説明したが、グリアジンの車載カメラからの映像記録とファンが撮影したビデオを確認して事故現場の約100メートル手前で、警官が減速するジェスチャーをしたことを確認しており、グリアジンの車載カメラからはクラッシュしたクルーの安全性あるいはOK / SOSサインについても確認できなかったとしている。リージョナル・ラリー選手権のスポーツ規則第53.3.2条では、「SOS サインが表示された車を見たクルー、あるいは事故に遭った車にOKサインの表示を確認できなかったクルーは、例外なく直ちに停止して支援を行わなければならない。後続車もすべて停止しなければならない」と定めており、この規定への違反があったとしてグリアジンに15分のペナルティを課すことを決めたと発表している。

 グリアジンはこれで24位に降格、オストベルグが優勝、2位にはポーランド・チャンピオンのミコワイ・マルツィックが、3位にはハンガリー・チャンピオンのアンドラーシュ・ハディク繰り上がることになった。