WRC2023/01/24

グリアジン優勝剥奪もポジティブな未来に目を

(c)RedBull Content Pool

 ニコライ・グリアジンは、コーナーにおける過度なインカットによってラリー・モンテカルロにおけるWRC2優勝を失い、新しいシュコダ・ファビアRS Rally2のWRCデビューウィンは幻となったが、彼は自身の速さとこの新しいマシンの強さがあるためポジティブな未来に目を向けていきたいと語っている。

 グリアジンは先週末のモンテカルロをオープニングステージからリード、一時、リードを広げたが、問題となった土曜日の最終ステージでパンクに見舞われることになった。彼はここでリードを15秒まで削られることになり、最終日も摩耗したタイヤに苦しんだが、4.5秒の差をつけてトップでゴールを迎えることになった。

 だが、土曜日のSS14ユブレイユ〜アントルヴォーでグリアジンが過度なコーナーカットを行い、定められたコースを外れることを禁止した規則に違反したとのPHスポールとヨアン・ロッセルの抗議を認め、スチュワードは5秒のタイムペナルティをグリアジンに科したことにより、彼は開幕戦の優勝を失い、ロッセルはわずか0.5秒差で勝利を手にすることになった。

 グリアジンは自身のソーシャルメディアにおいて問題となったコーナーで何があったかなどについて詳しいコメントはせず、次のように週末をふりかえっている。

「モンテカルロで2位に落ちてしまったので、こんな平凡な言葉は使いたくないんだ。『もっと強くなって戻ってくる』なんてね。僕たちはすでに強かったから」とグリアジンは語っている。

「僕らの後ろには、トークスポーツWRTというプロフェッショナルなチームがいてくれて、ポジティブなことにしか目を向けない強さがある。また、プロフェッショナルな面だけでなく、人間的な面でも支えてくれる、一生懸命なメカニックやエンジニアがいるんだ。そして完璧な仕事をしてくれたアイスノートクルーにも感謝したい。僕たちの成功は、すべて素晴らしいサポートによるものだ」

「そして、このグリーンのモンスターを開発した技術者に大きな拍手を送りたい。この獣のようなマシンで1秒1秒を楽しんだよ」

 トークスポーツWRTは今回のモンテカルロでは抗議を受けた側だが、昨年のイープル・ラリー・ベルギーではまったく同じ問題で抗議を行った側だった。このとき、トークスポーツWRTのアンドレアス・ミケルセンはフィニッシュ地点で2位だったが、勝者のステファン・ルフェーブルが2度にわたって行き過ぎたコーナーカットを行ったとしてトークスポーツWRTは抗議、スチュワードはこの訴えを認めてルフェーブルにペナルティを与えたが、3.1秒のマージンが残され、順位に変化はなかった。