JAPAN2023/03/10

コヴァライネン、GRヤリスRally2のデビューに感銘

(c)Toyota

 ヘイッキ・コヴァライネンは、先週の新城ラリーで勝利を飾ったものの、トヨタの新しいRally2コンセプトカー、GRヤリスRally2のデビュー戦に感銘を受けたと語っている。

 トヨタは、来年のマーケット投入に向け、欧州と併行して日本でGRヤリスをベースとしたRally2カーの開発に力を注いでいる。欧州ではテストドライバーのユホ・ハンニネンを中心として開発が行われており、最近ではカッレ・ロヴァンペラも南フランスのターマックでこのマシンのステアリングを握っている。そして日本では勝田範彦が全日本ラリー選手権でこのマシンを走らせ、実戦においてデータを蓄積することになっている。

 勝田は先週の新城ラリーではコヴァライネンに次ぐ2位につけていたが、ウェットコンディションとなった最終ステージでコースオフ、マシンを壊してリタイアに終わっている。コヴァライネンはまだ開発段階ながら実戦に登場したGRヤリスRally2コンセプトマシンが確実に速くなるだろうと述べている。

「僕らにとってが非常にいいラリーになったが、シーズンはまだ長い。次戦では、より接近した戦いになることは間違いない。勝田さんの手にかかれば、GRヤリスのRally2カーはかなり強くなりそうだ」と、コヴァライネンはアイセロ・チームが投稿したYouTube動画で語っている。

「現時点での状況には満足できる。マシンもセッティングもいいし、ノートもタイヤもいい。しかし、あのマシンは選手権でも確実に速くなるはずだから、僕たちは攻め続けないといけない」

 勝田範彦は、ここがGRヤリスRally2のスタート地点だと語っている。

「ラリーを通じて少しずつドライビングにも慣れてきたのですが、ウェットコンディションのSS10において、予想と違う挙動に対応しきれず、クラッシュしてしまった。今回、サポートとしてフィンランドからエンジニアの方がチームに加わり、ラリー中もこれまで経験したことがないほどのレベルで細かくセッティングの調整を行ってくれた。私自身もまだまだクルマに慣れておらず、対話できるレベルに至っていないのが実情だが、将来GRヤリスRally2を世界中で使ってもらうための、まさにここがスタート地点だと実感している。今後も走行を重ね、開発を進められるようチャレンジを続けていく」

 フィンランドのTGR-WRTでGRヤリス Rally2の開発を担当しているGRヤリス Rally2 プロジェクトリードの行木宏は、次のように述べている。

「GRヤリス Rally2はヨーロッパの道で多くの走行テストをしていますが、日本の実戦で走り、整備を行うことで、新たな気づきが得られると考えています。勝田選手と木村選手、日本のメカニックのみなさんと協力して開発を進め、世界中のカスタマーに乗っていただけるクルマに鍛えていきたいと思っています。今回のラリーでは日本の道に合わせたセットアップも試すことができました。今後もウェットなど異なる路面条件での知見を蓄積し、開発に活かしていきたいと考えています」