JAPAN2023/03/06

コヴァライネン新城で全日本今季初優勝

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 2023年全日本ラリー選手権第2戦新城ラリーが、3月4日から5日にかけて行われ、昨年のJN-1クラスチャンピオンのヘイッキ・コヴァライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が11SSのうち10ステージを制して圧勝を飾っている。

 新城ラリーのサービスパークが置かれた県営新城総合公園にはTOYOTA GAZOO Racing PARKが設けられ、TOYOTA GAZOO Racing WRTから参戦する勝田貴元がGRヤリスRally1を駆り、チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラがセリカGT-FOURでデモンストレーションランを行い、さらにトヨタ自動車の豊田章男社長を交えたトークショーが行われるなど、大いに盛り上がった週末となった。

 晴天となった初日、コヴァライネンはオープニングSSからベストタイムを奪ってラリーをリードするや、6SSすべてを制して総合2位の福永 修/齊田美早子(シュコダ・ファビアRally2エボ)1分10.3秒の大差を築くことに成功する。

 最終日はサービスのあと大雨がステージをトリッキーなコンディションに変えたが、コヴァライネンの安定した速さは変わらず、5SSのうち4SSを制して、最終的に2位の福永に1分50.1秒差をつけて今季初勝利を飾ることになった。

 最終日を沸かせることになったのは総合3位をめぐる激しいバトルだ。初日を終え総合3位(JN-2クラス首位)に奴田原文雄/東 駿吾(トヨタGRヤリス)、2.4秒差の4位には新井敏弘/保井隆宏(スバルWRX STI)が続くが、2輪駆動マシンながら新井大輝/金岡基成(プジョー208 Rally4)がわずか5.8秒後方からプレッシャーを掛けており、さらに3.4秒後方には開幕戦勝者の鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)が付けている。

 この混戦から抜け出したのは新井大輝だ。彼はSS8ヌカタで2番手タイムを奪って3位に浮上、2輪駆動マシンで夢の表彰台に近づいたかにも見えた。

 しかし、午後のループは雨によってウェットコンディションとなり、SS10で2番手タイムを奪った鎌田が新井敏弘を抜いて4位へと浮上、さらにウエットコンディションでのグリップに苦しむ新井大輝を最後のSS11で捕らえて3位表彰台を獲得した。

 新城ラリーで大いに注目を集めたのはTOYOTA GAZOO Racing WRTから参戦する勝田範彦/木村裕介が駆るトヨタGRヤリスRally2だ。勝田はGRヤリスのRally2カー開発作業の一貫としてこの新城から今季の全日本にこのコンセプトマシンで参戦するが、今回については全日本ラリー選手権のレギュレーションで定められた一般のガソリンスタンドの燃料への適合がまだできてないため今回はオープンクラスでの参加で総合順位からは除外となっている。

 勝田はほとんどセットアップの作業など事前の準備を行えない状況での参戦にもかかわらず、初日は首位のコヴァライネンから1分08.6秒遅れの2位相当のポジションで続き、そのポテンシャルを期待させるデビューとなっていたが、ウェットとなった最終ステージでフロントを壊して惜しくもリタイアとなっている。