Raid2021/01/08

サインツ、コースを見失いトップ集団から遅れる

(c)RedBull Content Pool

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 ダカール・ラリーは木曜日に第5ステージを迎え、3度の優勝経験を持つカルロス・サインツ(MINI JCWバギー)がステージ序盤で道に迷い、トップ集団からさらに遅れることになった。

 Xレイド・チームから参戦するサインツは、序盤でコースを見失ってしまったために最初の43km地点で28分もの遅れを喫し、残り400kmのステージで少しずつ挽回したものの、この日のトップタイムをマークしたジニール・ドゥ・ヴィリエ(トヨタ・ハイラックス)から15分19秒遅れてフィニッシュラインを通過し、総合優勝を争うステファン・ペテランセル(MINI JCWバギー)とナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタ・ハイラックス)に10分以上の差をつけられた。

 12ステージのうち5ステージを終えた時点で、サインツは総合首位のペテランセルから48分13秒、総合2位のアル-アッティーヤから42分遅れとなってしまった。

 ビバークに到着したサインツは、今回のダカールはラリーというよりも『ジムカーナ』のようなもので、ナビゲーションの問題でコースを外れるドライバーがこれほど多いのを見たことがないとイライラを隠さず語った。

「僕は少しやる気を失っているし、怒っている。このラリーはラリーレイドというよりもジムカーナのようなものだからだ」とサインツは語った。「僕はこれまでダカールに14回参加してきたが、2日も道に迷ってそれぞれ30分も失ったことはないし、皆が迷っているのを見たこともない。これはダカールではない」

「僕たちに本当に必要なのは・・・これはラリーというよりジムカーナになりつつある。今まで見てきたものはラリーではない・・・気に入らない。宝探しのようなものだ。何かを探す競技のような・・・これはラリーではない。本当にうんざりしている」

 2021年のダカール・ラリーは、大会史上初めてに各ステージのスタート15分前にロードブックがドライバーに手渡される。これまではステージ前日に渡されていた。

 これまでのようにクルーが自らノートをつけ加える時間がなくなったため、主催者のASOはそれを補うために自分たちでロードブックに詳細な情報を追加した。

 ドゥ・ヴィリエは、サウジアラビアでの最初の4つのステージを終えて総合22位、トヨタのファクトリードライバーの中では3位と低迷していたが、リヤド‐アルカイスマ間の456kmのステージを終始リードし、キャリア17回目のステージ勝利を果たして総合12位へ順位を上げている。

 Xレイド・チームのペテランセルは一時5位に後退したが、ステージ終盤で挽回し、前の3ステージを連続勝利したライバルのアル‐アッティーヤに2分以上の差をつけて3番手タイムでフィニッシュ、アル‐アッティーヤに6分11秒差をつけてここまでステージ未勝利ながらも総合首位をキープしている。

 また、前日に速度制限エリアでの速度超過があったとして5分間のペナルティを課せられ、52分遅れの7位へと後退することになったセバスチャン・ローブ(BRXハンター)はこの日、ナビゲーションのミスで50分以上を失ったために総合10位へと後退している。バーレーン・レイド・エクストリーム勢の中で2014年王者のナニ・ローマ(BRXハンター)が総合7位につけている。