Raid2024/05/14

サインツ、Mスポーツへ復帰して来季ダカールへ

(c)M-Sport

 4度のダカール優勝経験を持つカルロス・サインツが、Mスポーツ・フォードへのセンセーショナルな復帰が決定した。彼は、来年1月にサウジアラビアで行われるダカール・ラリーにおいて、チームメイトのナニ・ローマとともにMスポーツが設計・製作した全く新しいフォード・ダカール・ラプターをドライブする。

 サインツは、いまから37年前の1987年にラリー・デ・ポルトガルでフォード・シエラRSコスワースを駆ってWRCにデビュー、ラリードライバーのキャリアをスタートした。彼はそのキャリアで通算26勝を飾っているが、1996年と1997年にはフォードのワークス活動を代行した始めたMスポーツのマルコム・ウィルソンのもとで、フォード・エスコートRSコスワースとエスコートWRCを駆って5勝を飾った縁をもっている。

 Mスポーツとフォードへの復帰について、2度のWRCチャンピオンに輝いているサインツは次のように語った。

「この新しいダカール・プロジェクトをとても楽しみにしている。フォードと仕事をするのは4度目だし、Mスポーツに戻ることも、よく知っているマルコム・ウィルソン(Mスポーツ・マネージング・ディレクター)のもとに戻ることも、本当にうれしいことだ」とサインツは語っている。

「フォードとの付き合いは87年まで遡り、僕はマルコムの最初のドライバー、最初のファクトリードライバーになったと思う。それをとても誇りに思っている。ラプター・トラックをドライブすること、そして多くの目標を持ってこの大きな挑戦に臨むことに本当にワクワクしている。目標のひとつは、フォードがダカールで勝てるように貢献することだ」

 Mスポーツの新型フォード・ダカール・ラプターは、すでにテストプログラムを開始している。間もなくウェールズの森から砂丘に舞台を移して本格的に行われることになっている。

 Mスポーツのディレクターであり、ダカール・プロジェクトチームのマネージャーでもあるマシュー・ウィルソンは、サインツの復帰がラプターのテストと開発にさらなる自信をもたらしたと語った。

「カルロスはこのスポーツのレジェンドであり、あらゆる形式のオフロードレースで最も成功したドライバーのひとりだ。長年を経て彼がフォードとMスポーツに復帰するという決断を下したことは、チームにとって大きな後押しとなる。彼がフォード・ファミリーの一員としてダカールという大舞台に挑む準備ができていることは素晴らしいことだ」

「テストは順調に進んでおり、我々は最高のドライバーから学び、フォード・ラプターの開発をさらに推し進める絶好のチャンスを迎えている」

 サインツ同様、ローマはダカールで何度も優勝しており、オフロード・マラソンイベントを2輪と4輪の2つのキャリアで制している。彼は、フォード、Mスポーツ、ニール・ウリッジ・モータースポーツが共同で製作したT1+レンジャーで今年のイベントに出場した後、フォード・パフォーマンスとの契約を延長した。

 サインツとローマは、来年のダカールに向けてオフロードイベントに限定的に参加して準備を行うものと見られており、とくに10月に開催される世界ラリーレイド選手権の最終戦であるラリー・デュ・マロックは、1月に開催されるサウジアラビアのイベントの前哨戦として位置づけられている。