ダカール・ラリー2024は金曜日に最終日を迎え、チーム・アウディ・モータースポーツのカルロス・サインツ(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)が2020年以来となる4度目のダカール総合優勝を、EVマシンによる歴史的な勝利をアウディにもたらすことになった。
46回目を迎えたダカールは1月5日のプロローグランで開幕、サウジアラビアを横断する過酷なルートで14日間にわたって争われてきた。
サインツは、48時間クロノと呼ばれる新しいマラソンステージとして2日間にわたって行われた第6ステージで首位に立って以降、今大会はこれまで一度もステージ勝利を奪うことはなかったものの、ライバルたちを苦しめてきた致命的なトラブルを避けてトップを維持してきた。
それでもサインツは水曜日の第10ステージでは3度のパンクに見舞われ、今年の最大のライバルとなったセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンターT1+)に13分差まで迫られることになってしまった。初勝利に燃えるローブは木曜日の第11ステージでは猛烈な追い上げをみせたが、岩場の多いセクションでフロントサスペンションを破損して1時間20分あまりをロス、サインツは総合優勝に王手をかけて最終日を迎えていた。
最終日の第12ステージは、ヤンブからのループステージとなり、175kmのスペシャルステージを含む総走行距離328kmをこなしたあとヤンブでのゴールを迎える。サインツはトラブルなく最終ステージを走りきり、アリ・バタネンと並んで4度目のダカール優勝を飾ることになった。2010年のフォルクスワーゲン、2018年のプジョー、2020年のMINIに続く、4つめの異なるマニュファクチャラーであるアウディでの勝利は、EVカーによる歴史的な偉業となった。
アウディにとっては最後のダカール挑戦と言われるだけに、サインツはこの勝利はチームにとっても特別なものになったと喜びを露わにした。
「特別なクルマと特別なチームとの特別な勝利だからね。アウディはまったく違うクルマを作ってくれた。難しかったけど、3度目の挑戦でなんとか勝つことができた」とサインツは語った。
「当面はこの勝利について考え、将来のことはそれから考えることにするよ。スピードもリズムも戦略も良かった。良いチームメイトに恵まれた素晴らしいチームだ」
1時間20分5秒遅れの総合2位にはオーバードライブ・レーシングのギヨーム・ド・メヴィウス(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)、ローブは今大会5度目のステージ勝利を飾って最後までプッシュしたが、惜しくも8分47秒差で総合3位となっている。