WRC2024/11/24

サミ・パヤリが逆転でWRC2新王者に

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 ラリー・ジャパンのWRC選手権を2位でフィニッシュしたサミ・パヤリとエンニ・マルコネンが選手権でオリヴァー・ソルベルグを破ってWRC2のチャンピオンに輝くとともにWRC2チャレンジャーのタイトルも獲得した。

 パヤリはサルディニア、ポーランド、ギリシャでWRC2勝利を飾り、今季デビューしたばかりのトヨタGRヤリスRally2で素晴らしいシーズンを送ってきた。彼はラリー・ジャパンを2位以上でフィニッシュすればWRC2の初タイトルを決めることができたが、金曜日のスタート早々にパンクに見舞われてひやりとすることになった。

 来週23歳になるクールなフライングフィンは、そのあとは非常に難しいジャパンのターマックステージでも一貫したパフォーマンスを見せ続けて、ニコライ・グリアジン(シトロエンC3 Rally2)に続いて最後まで2位の座を守り抜くことになった。

「本当に素晴らしい気分だ。とてもほっとしている。2日間少しゆっくり走り、すべてに気を配り、愚かなことをせず、フィニッシュラインに辿り着くことができた」とパヤリはいつものようにクールな笑顔をみせた。「トヨタ、プリントスポーツ、家族、ファンの皆に感謝したい。これは僕とエニだけでなく、皆で達成した成果だ。エニ、そしてチームの全員にも感謝したい。全員でやり遂げた。ありがとう、みんな」

 フィンランドでのRally1デビュー戦で4位になり、WRC2王座を獲得した彼にとって来季はどんな飛躍が待つだろうか。

「来年もいくつかのラリーに参戦したい。トヨタは今年、本当に信頼性が高くて速かったので、この道を進み続けたい」

 ラリー・ジャパンではグリアジンがオープニングステージからリードし、パヤリに1分46.5秒差をつけて今季、3度目の勝利を手にすることになった。

「最高だ。すべてがコントロール下で、シーズンの素晴らしいエンディングだ。関係者すべてに感謝したい。このイベントのために特別なリバリーを使わせてくれたこと、シトロエン、家族、すべてに感謝したい。いつも通り、皆もレースも完璧だった。(「来年はRally1マシンの噂もあるけど?」と聞かれ)」それは今でも僕の夢なので、チャンスがあれば挑戦したい」とグリアジンは語っている。

 また、全日本チャンピオンの新井大輝は10年物のシュコダ・ファビアR5ながら序盤から速さをみせながらも、数々のマシントラブルと戦うことになった。最終日もリヤディファレンシャルにトラブルを抱えたが、それを克服してガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRS Rally2)に1分近い差をつけて3位表彰台を飾っている。「金曜日と日曜日は、本当に大変だった。土曜日はトラブルもなく問題なかったが、金曜日と日曜日は信じられないほどだった。それについては考えなくてはならないが、本当に素晴らしい経験だった」と新井はうれしそうに語っている。

 4位で最終日を迎えたヘイッキ・コヴァライネン(トヨタGRヤリスRally2)はオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)がコースオフした同じコーナーでマシンをスライドさせてクラッシュしてしまった。