WRC2019/11/15

シトロエン、今週中にもWRC撤退を発表へ

(c)Citroen

 シトロエン・レーシングは数日のうちに今季をもって世界ラリー選手権から撤退することを正式に発表すると複数のメディアが報じている。

 グループPSAは水曜日、プジョー・ブランドによる2022年から世界耐久選手権(WEC)への参戦を表明し、さらに将来における同グループによるモータースポーツへの取り組む方向性について今後数日のうちに発表すると見られており、このなかにはシトロエオン・ブランドによる世界ラリー選手権参戦をキャンセルする内容も含まれているという。

 シトロエンのチーム代表であるピエール・ブダールは先週、「最終戦ラリー・オーストラリアでのポディウムによって2020年に新しいシーズンを最高の形でスタートするための計画を前に進めたい」と語り、明るい将来についてふくみをもたせていたが、この計画に説得力をもたせるチャンスは森林火災によって奪われてしまった。

 シトロエンはセバスチャン・オジエのドライバー選手権7連覇を狙うというチーム最大の目標をパワステトラブルで成し遂げることができなかったことで、グループPSAはチーム撤退の決定を加速したと考えられている。

 一方、シトロエンの撤退によって気になるのはオジエの去就だ。スペインでも噂が流れたように、シトロエンと2年契約をもつ彼がオイット・タナクのあとを引き継いでトヨタに移籍することを阻む障壁はこれによってなくなり、4度のワールドチャンピオンを経験しているトミ・マキネンというチーム代表と6度のワールドチャンピオンであるオジエによるドリームチームが誕生する可能はこれでいちだんと高まったかにも思える。

 トヨタGAZOO レーシングWRTの豊田章男チーム総代表は14日に公開されたラリー・オーストラリア中止に関するリリースのなかで、今季の目標だった3つのワールドタイトル制覇ができなかったことを残念に思うとしながら、この目標は、「一年後に日本で叶えたい」と宣言していることから、来季にむけた強力なドライバーズラインナップはすでに水面下で完成したものとして推測されている。