WRC2019/11/20

シトロエン、2020年シーズンへの不参戦を発表

(c)Citroen

 シトロエン・レーシングは、今季をもってセバスチャン・オジエがチームを離脱することを発表、それにともない2020年の世界ラリー選手権プログラムを中止したと説明しており、事実上、今季をもってWRCからの完全撤退することになると見られている。

 シトロエン・レーシングの将来を案じる報道が続いてきたが、今週はじめにPSAモータースポーツ・ディレクターのジャン-マルク・フィノーはハイブリッドWRカー時代を迎える2022年以降は世界ラリー選手権に参戦しないことが決定したと認めたが、今季をもってラリーから撤退するという噂については否定し、このプログラムを中断するつもりはないと語っていた。

 しかし、ヴェリジーにあるシトロエン・レーシングのファクトリーには水曜日に全従業員とチームスタッフ全員が集合し、今季をもっての世界ラリー選手権プログラムの中止が告げられている。

 シトロエン・レーシングが日本時間20時(現地時間12時)に発表した声明は非常に短いものだった。

「セバスチャン・オジエがチームを離れる決定したことにともない、シトロエンは2020年シーズンに参戦するための一流のドライバーが不在となったため、2020年にWRCプログラムから撤退することを決めた」

 シトロエンは、ラリーレイドの栄光のあと1998年からクサラ・キットカーとともにラリー参戦を開始、フィリップ・ブガルスキーがフランスチャンピオンに輝いているが、WRC には当初はターマック戦のみの参戦にとどまっていた。

 シトロエンの初のWRC優勝は2001年のツール・ド・コルスでヘサス・ピュラスがシトロエン・クサラWRCで達成したものだ。そしてこのイベントでJWRCタイトルをシトロエン・サクソで飾った若きセバスチャン・ローブとともにチームは黄金時代を築くことになる。

 ローブは2002年のラリー・ドイッチュランドでクサラWRCを駆ってWRC初優勝、2003年には3勝を飾って惜しくも1ポイント差でドライバーズタイトルは成らなかったが、2004年に6勝を挙げてシトロエンのマシンを駆った初のワールドチャンピオンに輝くことになった。

 ローブは2004年から2012年まで9年連続でワールドチャンピオンを獲得、2013年に一時引退したものの、昨年のラリー・デ・エスパーニャで彼にとって通算79勝目、シトロエンにとっての通算99勝を達成している。

 シトロエンは今季、セバスチャン・オジエをチームに迎え、開幕戦ラリー・モンテカルロで通算100勝目を飾っており、オジエの7年連続チャンピオン獲得はならなかったが、シトロエン創業 100周年の節目となる年をもって栄光の歴史にピリオドを打つことになると見られる。