WRC2019/11/17

シトロエン、2022年ハイブリッドWRC不参戦を表明

(c)Citroen

 シトロエン・レーシングの将来について、この数日にわたって、今季をもって世界ラリー選手権から撤退すると複数のメディアが報じてきたが、PSAモータースポーツ・ディレクターのジャン-マルク・フィノーはこうした噂を否定したものの、ハイブリッドWRカー時代を迎える2022年以降は世界ラリー選手権に参戦しないことが決定したと述べた。

 シトロエンは以前、新しいレギュレーションに備えるためにWRCへの参戦を一年間休止したことがある。このため、仮に来季にむけて撤退するとしても、それは一時的なものであり、ハイブリッドが採用された2022年には再び参戦する可能性があると考えられていた。

 しかし、グループPSAは、2022年からプジョーによるハイブリッド・ハイパフォーマンスカーによる世界耐久選手権への復帰することを発表しており、このプログラムに加えて、DSブランドは引き続きフォーミュラEに参加するため、PSAとしてモータースポーツの3つの世界選手権プログラムは考えられなかったようだ。

 フィノーは、シトロエンはハイブリッド時代のWRCには参戦しないことを明らかにした。

「我々はハイブリッドによる2022年の世界ラリー選手権に参戦しない」とフィノーは、フランスメディアのオートエブドの取材に対して答えた。

「(DSを使用した)フォーミュラEの取り組みは継続されるが、PSAは電動とハイブリッドの3つのプログラムは運営しない」

「2020年シーズンについていくつかの議論が進行中であることはたしかだが、このプログラムを中断するつもりはない」

 フィノーは、この議論のなかにはセバスチャン・オジエの来季の契約に関する話し合いが含まれていることを認めた。シトロエンとオジエの契約は、来季も含まれており、それがWRCでの彼の最後のシーズンとなる予定だが、彼はトヨタに移籍する噂も浮上している。

「セバスチャンと2020年の彼の参加について話し合いが持たれていることは事実だ。この段階では、別の仮説に言及することは憶測にすぎない。真実はすぐに明らかになるだろう」

 シトロエン・レーシング・チーム代表のピエール・ブダールは、シトロエンCEOのリンダ・ジャクソンと、先月のラリー・デ・エスパーニャのあとチームの将来について議論を重ねているが、ジャクソン自身の地位も、三菱の元生産責任者であるフランス人のヴィンセント・コビーと交代する案が吟味されている模様だ。

 また、C3 R5を使用したシトロエンのカスタマープログラムについては今後も継続されることになる模様だ。