WRC2020/12/24

シュコダ、ファビアRally2エボをアップデート

(c)Skoda

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 シュコダ・モータースポーツは、2021年シーズンに向けて、シュコダ・ファビアRally2エボをアップデート、マシン全体の技術改良によって、世界中のラリーコースで競争力を確保することを目指す。新しいコンポーネントは、1月21日から24日にかけて開催される2021年シーズン開幕戦のラリー・モンテカルロに合わせて、2021年1月4日より販売を開始する。

 シュコダ・モータースポーツは、すでにラリーバージョンのファビアR5およびファビアRally2エボを372台、顧客に販売している。これまでに65カ国132チームがこのマシンで国際選手権、地域選手権、国内選手権にエントリーし、約8,300台の参戦実績がある。

 2020年FIA世界ラリー選手権では、シュコダのカスタマーチームであるTOKスポーツWRTがWRC2カテゴリーでチームタイトルを獲得、FIAリージョナル選手権ではFIA NACAM(北中米とメキシコ)ラリー選手権でタイトルを獲得することになったほか、国内ラリー選手権では、フィンランド、ギリシャ、ノルウェー、ポルトガル、ロシアを含む12カ国でシュコダのマシンを駆ったドラバーがタイトルに輝いている。

 こうした大成功を収めているシュコダ・ファビアRally2エボだが、シュコダ・モータースポーツはその改良を続け、2021年シーズンに向けて多くの技術改良を導入する。2021年パッケージのパフォーマンスパーツには、1.6リッターターボエンジン用の新しいエンジンマッピングと、再設計されたインタークーラーとエキゾーストマニホールドが含まれる。これらの改良により、シュコダ・ファビアRally2エボの全体的な出力特性が向上するだけでなく、最大出力が2kW増加して燃料に応じて214kWの最大出力が実現する。

 また、高速イベントのためのギヤセットはより使いやすく、最高速はこれまでの187km/hから202km/hへと伸びている。特に低グリップ路面に対応するために、グラベルとターマックの両方のステージで使用できるディファレンシャルランプの新しいセットのホモロゲーションを取得しており、新しいスペックのZFダンパーは、ターマックとグラベルのあらゆる路面でのトラクションと車両の安定性をさらに向上させているという。

 信頼性の向上は、 シュコダ・ファビアRally2エボの新たにホモロゲーションを取得したパーツの主要なトピックであった。例えば、より強いリヤアクスルサブフレームは、悪路での損傷のリスクを最小限に抑える。もともとターマック用にホモロゲーションされたリヤブレーキのための特別な冷却装置は、今後、グラベルのセットアップでも使用することが可能となり、ブレーキシステムをオーバーヒートから効果的に保護する。

 2021年の技術的なアップグレードの全範囲は、新しいシュコダ・ファビアRally2エボのすべての購入者にも、一部は標準として、一部はオプションとして利用可能になる。2021年1月1日からホモロゲーションが開始される新しいコンポーネントは、マシンの性能、ハンドリング、信頼性、安全性をさらに向上させるとともに、選択された部品の寿命を延ばし、クルーの快適性を向上させる。

 シュコダ・モータースポーツ・ディレクターのミヒャール・フラバネクは、次のように語った。

「シュコダ・ファビアRally2エボはこれまでにカテゴリーで1255回以上の勝利を収め、2948回の表彰台を獲得している。2021年のアップグレードに向けてさらに開発された部品は、世界中のカスタマーの今後の成功を維持するために作られている。我々は、ドライバーのヤン・コペツキ、オリヴァー・ソルベルグ、クリス・ミーク、ポントゥス・ティデマンド、アンドレアス・ミケルセン、エミル・リンドホルムと共にこれらの新しいコンポーネントを幅広くテストしてきた。我々は2021年のアップグレードによって、カスタマーにより速く、より信頼性の高いシュコダ・ファビアRally2エボを提供できると確信している」