WRC2025/02/09

スアレス、WRCカナリアスでRally1デビューへ

(c) Jose Antonio Suarez

 スペインのホセ・アントニオ・スアレスの夢が、この春、ラリー・イスラス・カナリアスで実現する。彼は母国で初開催されるこのWRCターマックラウンドでMスポーツ・フォードからフォード・プーマRally1でトップカテゴリーにデビューすることになったと明かした。

 ラリー・イスラス・カナリアスは、今年4月に初めてWRCとして開催されるため、スアレスは、母国でのイベントに向けてトップレベルのマシンを確保するために水面下で動いてきたが、ついにMスポーツ・フォードのプーマRally1をレンタルしてこのラリーに参戦することになったようだ。

 34歳のスアレスはここ数年、スペインの国内ラリー選手権に参戦してきた。2010年代初頭にはジュニアWRCに挑戦したが、トップレベルでの定位置には手の届かないままだった。

 しかし、スアレスはついにMスポーツ・フォードのプーマRally1で念願のWRCへの出場を果たすことになる。

 WRC初開催となるラリー・イスラス・カナリアスで、スアレスはWRCのトップカテゴリーのドライバーの誰よりもこのラリーでの経験をもっている。彼は過去8回もこのイベントに出場している。

「夢を見るようになって以来、ずっとこの瞬間を夢見てきた。初めて観戦したWRCラリーは1996年のラリー・ポルトガルで、その瞬間から自分が何を望んでいるのかがわかった」とスアレスはスペインのメディア『Overall Media』に語った。

「ジュニアWRCではあと一歩のところまで行ったが、叶わなかった。けれど今、人生が再び僕にチャンスを与えてくれた」

 スアレスが最後にWRCに出場したのは2019年で、ターマックのラリー・デ・エスパーニャに参戦した。その時はジュニアカテゴリーでの参戦だったが、今回、彼はWRCのトップカテゴリーにデビューする。

「MスポーツのRally1マシンを駆る。あとはやるだけだ。これからテストをし、様子を見て、自分のフィーリングを確かめる。でも、僕の中の戦士は全力で走る準備ができている」とスアレスは語った。

 ラリー・イスラス・カナリアスは、グラン・カナリア島で4月24日から27日にかけて開催される予定だ。