ERC2022/07/04

セスクス、ERC史上初全ステージを制して初優勝

(c)RedBull Content Pool

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 ラトビア出身の22歳、マーティンシュ・セスクス(シュコダ・ファビアRally2エボ)が母国で開催されたヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第5戦ラリー・リエパーヤにおいて、初日からすべてのスペシャルステージすべてを制してERC初優勝を飾ることになった。ERCのイベントですべてのステージを制して優勝したのはこれが史上初の快挙となった。

 セスクスは、ホームイベントのラリー・リエパーヤにチームMRFタイヤに起用されてトップカテゴリーにステップアップ、金曜日の初日に行われた6ステージすべてでベストタイムを奪って22.9秒をリードして最終日を迎えていた。

 セスクスは最終日も、前日と同じように6ステージすべてを制す完璧なパフォーマンスをみせて、チームメイトのエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRally2エボ)に1分10秒9の差をつけて、彼が生まれた町であるリエパーヤ市のポディウムへトップで凱旋した。

 セスクスはRally2カーでの初参戦のERCであったにもかかわらず、土曜・日曜の2日間で12ステージを制覇して初優勝するという印象的な結果を残したが、同時にそれはERCイベントにおける初めて全ステージを制しての歴史的な勝利なった。

「本当に嬉しい。本当に信じられないよ」とセスクスは語った。「チームMRFタイヤとスポーツレーシングテクノロジーズのおかげで、このような機会を得ることができ、とても素晴らしい週末でした。今までで最高のラリーだと思う」

 大きなリードを得て優勝を飾ったセスクスの後方では、3人のドライバーによる激しい2位争いが最終日のハイライトになった。

 2位のヤレーナから9.4秒遅れで最終日を迎えたトム・クリステンソン(ヒョンデi20 R5)は2つのステージを終えてヤレーナに3.9秒差まで迫り、さらにその後方にはミッコ・ヘイッキラ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が3.8秒差で続く接戦となったが、クリステンソンはSS9ヴェクピルス・ステージでパンクに見舞われて、残念ながら13位へと転落することになった。

 クリステンソンが去ったにもかかわらず、ヤレーナにとってはヘイッキラが新たな脅威となり、SS10ではついにヘイッキラが2位へと浮上することになった。しかし、ヘイッキラは最終ステージで惜しくも敗れ、ヤレーナから0.6秒差の3位に終わることになった。

「最終ステージではベストを尽くした。本当に良いステージになった」と、土壇場の逆転で2位となったヤレーナは語った。「僕たちのパフォーマンスには本当に満足している。ポーランドとラトビアは難しいと思っていたので、どちらも表彰台を獲得できて本当にうれしいよ」

 土壇場の逆転で2位となったヤレーナはERCドライバーズ選手権で2位につけるニル・ソランス(ヒョンデi20 N Rally2)が2度のパンクによって12位に終わったため、ヤレーナはリードを46ポイントへとさらに拡大することに成功している。

 エストニア人ドライバー同士の緊迫した対決となった4位争いは、ケン・トルン(フォード・フィエスタRally2)が逃げ切り、8.1秒差をつけてグレゴール・イェーツ(シュコダ・ファビアRally2エボ)を下している。

 ヘイデン・パッドンは、金曜日のシェイクダウンで初めて新しいヒョンデi20 N Rally2をドライブ、2週間後のラリー・エストニアに向けてセットアップとウォームアップに費やした週末となった。初日にリヤをスライドさせて軽くオフした彼だが、6位でフィニッシュを迎えてようやくマシンにも慣れ始めてきたと語っている。

「これから始まる挑戦に向けて、僕らは大きな一歩を踏み出すことができた。とても小さなチームだけど、みんな同じ考えを持っている。エストニアのラリーウィークまで1週間あるので、そこでもう一歩踏み出せればいいと思う。フロントガードの負傷を除けば、ミッションはほぼ達成できた週末だった」

 ERCは7月23〜24日に開催される次戦にラリー・ディ・ローマ・カピターレでふたたびターマックラウンドへと戻る。