WRC2018/08/10

タナク、タイトルを夢想することは無意味

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのオイット・タナクは、ラリー・フィンランドにおける完全な勝利によって、一度は閉ざされたかに見えたドライバーズ選手権タイトルへの道がふたたび開けたように見えるが、彼はまだ遠い夢だと感じており、期待しすぎることへの警戒感を示した。

 タナクは、アルゼンチンでトヨタに移籍後初優勝を獲得、初王座の可能性も出て来たようにも見えたが、ポルトガルとサルディニアで相次いで冷却系のダメージを負ってマシンを止めてしまい、ドライバーズ選手権トップのティエリー・ヌーヴィルから72ポイントの差をつけられてしまい、彼は今季のタイトルへの挑戦が現実的にはかなり困難な状況となったことを認めていた。

 しかし、ヌーヴィルが9位に終わったフィンランドでタナクは2勝目を飾って、選手権リーダーまで46ポイント差に近づくことになった。次戦のドイツは昨年タナクが初勝利を飾ったターマックラウンドとなるため、さらにる選手権での躍進を期待する声が高まっているものの、彼はまだまだ1勝ではどうにもならない厳しい状況であることをクール分析している。

「何度も言っているように僕たちはまだタイトルにはかなり遠いので、そのような夢を想像することは意味がない」とタナクは語った。

「フィンランドで地元のドライバーたちに対して勝つためには、完璧でなければならなかった。すべてのステージで限界で攻め、そして最後のステージを走り切ったときに、僕は完璧に走ることができたと感じた。僕はドイツで同じことを行い、そしてトルコでそれを繰り返さなければならない」

「トップとのギャップはまだまだ大きい。1勝しただけでどうにかできるわけではない。これからもそれぞれのラリーに集中し、チームとマシンを信じて自分たちにできるベストを尽くすまでだ。しかし、僕らのマシンはとてもいいし、チームとともに一戦ごとに一丸となって戦い、そしてそのようなことがシーズンの終わりまでに可能かどうかを楽しみにしよう」