WRC2020/07/06

タナク、母国エストニアでヒュンダイでの初勝利

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのオイット・タナクが、7月4日に行われたエストニア・ラリー選手権開幕戦のヴィル・ラリーにヒュンダイi20クーペWRCで参戦、この母国イベントでの初優勝を飾ることになった。また、彼にとってはヒュンダイに加入以来、チームでの初優勝となった。

 エストニアの首都タリンの東部にあるラクヴェレをベースとして7SS/88.40kmのワンデイラリーとして行われたヴィル・ラリーには、新型コロナウイルスでシーズンの開幕を待たされたエストニア選手権のエントラントを含め、84台という大きな台数を集めて開幕することになった。

 ときおり激しい雨が降る難しい高速グラベルとなったヴィル・ラリーで、タナクはオープニングSSから昨年のチャンピオンであるゲオルグ・グロス(フォード・フィエスタWRC)に10秒あまりの差をつけてベストタイムで発進、そのまま6つのステージで圧巻のベストタイムを並べて最終的に1分43秒差をつけてグロスを圧勝することになった。

 タナクにとっては3月のラリー・メキシコ以来の実戦だったが、今回のヴィル・ラリーがシーズンの再開に向けて大きなステップになったと感じている。

「ヒュンダイと一緒にラリーで勝てて嬉しい。これが初めてのチームでの勝利だからね」とタナクは語った。

「3月以来のラリーだったので、最初のステージを走りながら、お腹の中で蝶々が舞うようなそわそわした感覚を得られたのは良かったよ。そのようなフィーリングも久しぶりだよ!」

「(ヴィル・ラリーは)忙しい一日だったが、間違いなく効果があるラリーだった。さまざまな路面のコンディションがあり、ラリーの走行中にどんなテストよりも多くを学ぶことができた」

「このイベントにマシンを持ってきてくれたチームに感謝しなければならない。小さなイベントだったので、大きなチームがこのようなことをするのは簡単なことではないからね」

 タナクは6連続ベストタイムでパーフェクトな勝利を飾るかに見えたが、最終ステージだけベストタイムを逃している。なにかトラブルがあったか問われたタナクは詳細についてのコメントを避けたが、そうしたことを含めて実戦のテストには価値があると語っている。

「問題があったかどうかはわからない。問題はすべて解決できるものだ。現時点で僕らはここにいるしね。たしかに興味深いシーンはあったが、小さなラリーであっても、そこで乗る価値があるのは、そうしたすべての状況が僕らにさまざまなことを教えてくれるからだ」

「シーズンがかなり長い間の中断だったので、すぐに同じリズムに戻るのはそれほど簡単ではなかったと思う。テストでもドライブしたが、最初は自信を見つけるのに時間がかかった。それにテストは実際のラリーとは少し異なるものだからね。このあともいくつか走行を行い、ラリー・エストニアのために、最高のレベルで準備をしなければならない」

 9月4-6日のラリー・エストニアでシーズンが再開するまでにまだ2カ月近くあるが、タナクはイタリアのラリー・ディ・アルバにも参戦して準備を行う予定だ。