WRC2019/08/23

タナク、SS1を制してドイツをリード

(c)Toyota

 世界ラリー選手権第10戦ラリー・ドイッチュランドが22日木曜日に開幕、オープニングSS で激しい走りをみせたトヨタ GAZOOレーシングWRTのオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がトップタイムをマーク、3連連続優勝にむけて好スタートを切っているが、トップ4がわずか1秒差にひしめくタイトな展開となっている。

 ボスタールジーのサービスパークで行われたセレモニアルスタートに続き、シェイクダウンと同じ5.20kmのザンクト・ヴェンデラー・ランドのステージがオープニングSSとなる。ザンクト・ヴェンデラー・ランドは、ザールランドの郊外に広がるオープンで高速なステージで、スピード抑制とインカットを防止のためにヘイベイルがいくつも配置されており、昨年と異なる枝道が使用されている。

 タナクはミッドポイントのスプリットではダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)と同タイムで並んでいたが、後半ではペースをアップ、ヤリスをストローベイルをなめるように激しいアタックを敢行、左右のドアミラーとフェンダー上のエアロを吹き飛ばす果敢な走りで最終的にソルドに0.8秒差をつけるベストタイムを奪っている。

「いい走りができたよ。勝負にとてもタイトになると思う。ステージは非常に速い。明日もどうなるか見るよ。僕はすべてのラリーに勝とうとしているが、それは今週末も変わりはない」とタナクはステージエンドで語っている。

 2番手のソルドとは0.1秒差の3番手タイムにはセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)、さらに0.1秒差でティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)が続き、首位から4位までが1秒差で並ぶ激しい接戦だ。

 5番手にはクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)、 6番手にはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続き、7番手にはテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が付けている。

 シェイクダウンでは3番手タイムと印象的な速さをみせたエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)はここでも速さをみせて、中盤のスプリットではタナクとソルドと並んで最速タイムだった。しかし、彼はダストがかきだされたシケインで大きくマシンをスライドさせてしまい1.9秒遅れの8位となっている。

 また、ヤリスWRCでのWRCデビューを迎えた勝田貴元は落ち着いた走りで記念すべき初のステージをトップから5秒落ちの11番手タイムでクリーンに走り切っている。

「素晴らしい気持ちだよ。とてもエキサイティングなステージだった。この週末は非常に厳しくなるだろう。僕にとっては新しいチャレンジになるが、ドライビングに集中するよ。そうすればいい結果につながるはずだ!」

 ラリー・ドイッチュランドは明日金曜日にリスタート、モーゼル河畔の狭くてバンピーなブドウ畑のステージに挑むことになる。オープニングSS のシュタイン・ウント・ヴァインは現地時間 10時14分(日本時間17時14分)のスタートが予定されている。