WRC2025/09/24

タナクはセントラルでマニュファクチャラー登録外

(c)Hyundai

 
 ヒョンデ・モータースポーツは、2025年世界ラリー選手権の残り3ラウンドにおいて、戦略的判断でオイット・タナクをマニュファクチャラーズポイントの登録ドライバーから外すことを決定した。
 
 この決定は、火曜日に公開されたセントラル・ヨーロッパ・ラリーのエントリーリスト公開によって明らかにされたもので、セントラル・ヨーロッパ、日本、サウジアラビアの3ラウンドにおいては、ティエリー・ヌーヴィルとアドリアン・フールモーのみがマニュファクチャラーズポイント対象のドライバーとして登録される。

 ヒョンデ・モータースポーツは声明で次のように述べている。「2025年FIA世界ラリー選手権シーズンの最終3ラウンドにおいて、ヒョンデ・シェル・モービス・ワールドラリーチームは、ティエリー・ヌーヴィルとアドリアン・フールモーのみをマニュファクチャラーズポイント獲得ドライバーに指名する」

「この戦略的決断により、オイット・タナクとマルティン・ヤルヴェオヤはマニュファクチャラーズポイントの指名なしでレースに参加することが可能となる。また、スポーティングレギュレーションを最大限に活用することで、タナクとヤルヴェオヤはドライバーズタイトルとコドライバーズタイトル獲得に向けて戦い続けるために、可能な限り最善のポジションを確保することができる」
 
 タナクは先月のラリー・チリ初日にエンジン故障に見舞われてリタイアしたが、規定に従い、スペアエンジンに交換して土曜日にラリーに復帰している。しかし、このスペアエンジンはすでに過去、ラリー・スウェーデンで使用済みで不調の兆候があり、わずか2ステージでこれを保護するため再びリタイア。最終日もこのスペアエンジンにはオーバーヒートとパワーダウンの症状が発生している。
 
 この問題のあるエンジンのままタナクがセントラル・ヨーロッパ・ラリーへ出場するのかどうか注目されてきた。新しいエンジンに交換するためには5分のペナルティを科されるか、あるいはチームメイトとマシンを交換し、代わりにペナルティを負わせるという選択肢もあった。しかしヒョンデは、より抜本的な解決策を選択した。
 
 タナクをマニュファクチャラーズポイントの対象から外すことで、彼はWRCスポーティング・レギュレーション第17条に定められた多くの制限から解放される。この条項は、ポイント獲得対象のマニュファクチャラー選手権を争う各マシンについて「カーネーム」ごとにメカニカルコンポーネントの使用制限を定めている。
 
 エンジンについては、カーネームごとに年間で2基をシーリングすることが可能となっているが、タナクのマシンがマニュファクチャラーズポイントの対象から外れたことでこの制限のルールは適用されなくなる。
 
 タナクはこれにより、他のコンポーネント使用に関する規則からも自由になる。タナクのマシンは、セントラル・ヨーロッパと日本では、同じギヤボックスとディファレンシャルを使用しなければならないという「リンクパーツ」規則からも対象外となる。
 
 この規則は南米2連戦にも適用され、タナクはアドリアン・フールモーのパラグアイのエンジンを引き継ぎ、チリに参戦していた。このエンジン交換は、フールモーが前戦でリタイアしたため、ペナルティなしでタナクに新しいトランスミッションを供給するためのものだった。
 
 タナクはヒョンデのマニュファクチャラーズポイント対象から外れたことで、セントラル・ヨーロッパではペナルティなしで新しいエンジンを走らせることができる。ただし、イベントごとに使用できるギヤボックスとディファレンシャルのスペアを1セットずつとする制限は引き続き適用される。
 
 他にも利点がある。彼のマシンは、ヒョンデが2025年シーズンに使用できるシャシー9台の制限から外れ、サブフレームやステアリングラックのシーリングも不要になる。また、ポイント獲得車両のサービス作業で作業できる人員数制限(これまでは3台に対して12名のメカニック)の枠外となる。