WRC2022/04/26

トヨタ、オジエのポルトガル参戦を発表

(c)RedBull Content Pool

 開幕戦ラリー・モンテカルロ以来、4カ月ぶりにカーナンバー1がWRCに帰ってくることが決まった。トヨタGAZOOレーシングWRTは月曜日、5月19〜22日に開催される次戦のラリー・デ・ポルトガルにセバスチャン・オジエがトヨタGRヤリスRally1で出場することを公式に発表した。

 オジエは、これまでポルトガルではマルク・アレンと並ぶ史上最多となる5勝を飾っているが、2017年以来、このグラベルラウンドでの勝利からは遠ざかってきた。キャリアの多くを選手権リーダーとしてコースを掃除する役目を負っていたオジエにとって、ラリー・デ・ポルトガルでトヨタのラインナップに加わり、そのキャリアでやり残したことの一つとなっていたポルトガルの新記録達成を目指すことは当然の決定ではなかろうか。

 トヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、以前から、オジエが「道路をスイープする必要はなく、もっと後方からグラベルラリーをスタートしたいと望んできた」と語り、チャンピオンがポルトガルへ参戦する可能性を示唆してきた。先週末の日曜日の午後に行われた記者会見でも、ポルトガルの4人目のドライバーが誰になるのか聞かれたラトバラは、「自身ではないことだけははっきりしている」と笑みをみせ、ラインナップ発表のタイミングを待つことになった。

 トヨタは月曜日、ポルトガルにはオジエ、エルフィン・エヴァンス、カッレ・ロヴァンペラ、勝田貴元の4台体制で参戦すると発表、エサペッカ・ラッピはここをスキップして6月のサルディニアでの復帰を待つことになる。

 ポルトガルは、オジエと新しいコドライバーであるバンジャマン・ヴェイヤスにとって今年の開幕戦モンテカルロで2位になって以来、4カ月ぶりのWRCへの復帰となる。すでに先週火曜日にはMスポーツ・フォードがモンテ勝者のセバスチャン・ローブの参戦を発表しており、ワールドチャンピオン同士のトップ争いが、Rally1カーのグラベルラウンドデビュー戦のポルトガルで実現することになる。

 オジエとトヨタの約束はこれまではモンテカルロのみだったが、ポルトガルへの参戦が決まったことで、今年の残りのプログラムについての詳細も間もなく明らかになるかもしれないと期待されている。

 オジエは今シーズン、世界耐久選手権へリシャール・ミル・レーシングのLMP2マシンでフル参戦が決っており、それを優先にしてラリープログラムが決まることになる。

 オジエはポルトガル以降、サファリ・ラリー・ケニアへの参戦にも関心があるとされており、そのほかにもラリー・ニュージーランドは有力な候補の一戦だと考えられている。オジエが出場を望んでいるとされるアクロポリス・ラリーは残念ながら、WEC富士6時間レースとスケジュールが重なり、日本のファンが彼の参戦を待ち望んできたラリー・ジャパンも同じ週末にWECバーレーンが開催される予定だ。