WRC2019/02/15

トヨタ、路面の雪と氷の融けることを警戒

(c)Toyota

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 ラリー・スウェーデンが木曜日に開幕、TOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamスはカールスタッドでスーパーSSを終えてオイット・タナクが総合4位に、ヤリ-マティ・ラトバラが総合5位に、クリス・ミークが総合10位につけ、ヤリスWRCは全車が順調に最初のステージを走っている。しかし、週末にかけてステージの気温はあまり下がらないとの天気予報もあることから、トヨタは路面の雪と氷の融解が大きな問題となると警戒している。

 トヨタ勢は、14日の朝、トーシュビーの近郊で行われたシェイクダウンでクルマの最終確認およびセッティング作業を実施、タナクが2番手タイム、ミークが4番手タイムを、ドライバーとして最多出場記録となる197回目の参戦となるラトバラが9番手タイムを記録した。そして、夜8時過ぎから、トーシュビーから約100km南に離れたカールスタッドの競馬場で、2台同時スタートのスーパーSSが行われ、氷に覆われた全長1.90kmのコースを、ヤリスWRCは全車が堅実に走り、土曜日へと駒を進めることになった。なお、プライベーターとしてヤリスWRCで9年ぶりのWRC出場を果たした元世界王者マーカス・グロンホルムは、総合8位の好位置でラリーをスタートしている。

 トヨタでテクニカル・ディレクターを務めるトム・フォウラーは次のように語った。

「明日からの本格的なステージに向けて、とても良い準備ができた。今朝のシェイクダウンは順調で、我々のクルマは最初の走行でトップ3のタイムを記録した。その後、多くのクルマが走り路面コンディションは急激に悪化したが、最初の走行時がもっとも実際のステージに近い路面状態だったように思う。そして、その状態で良いパフォーマンスを発揮できたことに満足してる。今週末は気温が高くなりそうなので、路面の雪と氷の融解が大きな問題となるだろう。我々は朝の1回目の走行時は出走順が比較的前方で、良いコンディションで走れるため自信を持っている。しかし、2回目のリピートステージではコンディションがかなり悪化すると予想されるので、タイヤをうまくマネージメントし、できるだけスタッドが抜けないように注意して走る必要がある」

 タナク は金曜日のタイムが重要になると語っている。

「シェイクダウンでは、2回目の走行時に多くのグラベルが雪の下から顔を出していた。きっと、タイヤマネージメントはかなり難しくなるはずだ。出走順が前方ならば良いコンディションで走れるので、我々にとっては明日が非常に重要な1日となるし、良いパフォーマンスを発揮しなくてはならない。今晩の最初のステージは簡単ではありませんでしたが、問題なく走ることができた。クルマの動きはとても良く、自信を持って走ることができているので、明日からの本格的な戦いに向けて準備は万端だ」

 スウェーデンで5回目の勝利を目指すラトバラは、木曜日の夜のステージではややナーバスになっていたと告白した。

「カールスタッドでのラリースタートは常に素晴らしい雰囲気だね。今回は自分にとって197回目のWRCスタートだったので、少しプレッシャーを感じたが問題なく走り終え、今はもう明日からの本格的な戦いに集中している。ステージには大きなスノーバンクがあるので、きっと楽しんでドライブできるだろう。気温が高くなると路面の雪や氷が解けて下からグラベルが現れ、スタッドタイヤに大きなダメージを与えるので、あまり暖かくならないことを願っている。シェイクダウンの最初の走行時、路面が凍結している状態でのクルマのフィーリングは最高だった。そして、その後リピートステージを想定していくつかアイディアを試したので、そのような路面コンディションでどうすべきか、理解できている」

 シェイクダウンでミスのあったミークだが、凍結した路面でのヤリスのスピードに満足していると語った。

「カールスタッドの最初のステージは非常にトリッキーなので、ミスなくクリーンに走ることが目標だった。ステージに雪は少なく、正直なところあまり運転を楽しむことができなかったよ。今朝のシェイクダウンでは調子が良く、最初の2回は良いリズムで走ることができたが、3回目の走行時はわだちがかなり深くなっていて、コブで飛ばされてスノーバンクに突っ込んでしまった。しかし、スピードには満足している。今週末は気温が高くなりそうなので、きっと路面コンディションは複雑になるだろう。ただ、早朝の硬く凍結している路面では非常に運転しやすいので、明日は朝から頑張って走る」