WRC2023/09/23

トヨタ、4年ぶり開催のチリで今季9勝目に挑む

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームは、9月28日から10月1日にかけて、南米のチリで開催される世界ラリー選手権第11戦ラリー・チリ・ビオビオに、カッレ・ロヴァンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エヴァンス/スコット・マーティン、勝田貴元/アーロン・ジョンストンの3台のGRヤリスRally1ハイブリッドで出場し、4年ぶりに開催されるチリのグラベルラリーで、今シーズン9回目の優勝とタイトルの獲得を目指す。

 前戦のアクロポリス・ラリー・ギリシャで今シーズン3勝目を飾ったロヴァンペラは、ドライバーズ選手権首位の座を守り、総合2位を獲得したドライバー選手権2位のエヴァンスに対するリードを33ポイントに拡大している。今シーズン、残るイベントはチリを含めて3戦であることから、ロヴァンペラは今回のチリで2年連続となるドライバーズタイトルを獲得する可能性をもっている。

 また、マニュファクチャラーズ選手権においてはトヨタが91ポイント差で首位に立っており、このラリーで選手権2位のヒョンデとの差をさらに13ポイント拡げることができれば、3年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを獲得することになる。

 4年前のラリー・チリでは、当時トヨタのドライバーだったオイット・タナク(現Mスポーツ・フォード)がヤリスWRCで勝利をおさめ、サポート選手権のWRC2プロではロヴァンペラが、アマチュアのためのWRC2では勝田が、それぞれR5車両(現在のRally2車両)で優勝している。また、当時Mスポーツ・フォードのドライバーだったエヴァンスは、トップカテゴリーのWRカーをドライブし総合4位でフィニッシュしている。

 4年前にはトヨタの現役ドライバーでもあったヤリ-マティ・ラトバラ代表は土曜日までトップを走っていたが、油圧系の問題で惜しくも優勝を逃している。彼はチームが一丸となってこの週末に全てのチャンピオンシップでタイトルに接近したいと野心をみせた。

「トヨタは前戦ギリシャでの素晴らしい結果により、全てのチャンピオンシップで好調を維持しているが、今季はまだ3戦残っている。タイトルを獲得し、最高の結果を出し続けるためには、まだまだやらなくてはならない重要な仕事がある」とラトバラ代表は語っている。

「再びチリに戻るのは興味深いことだ。私は2019年のチリにこのチームから出走したが、ギリシャと比べるとはるかにスムーズで高速なグラベルイベントだ。道はフィンランドやウェールズ、さらにはニュージーランドで見られるような特徴をいくつか組み合わせた感じだ。非常にテクニカルなセクションもあり、高速で流れるような道もあれば、ひたすら曲がりくねった道もあるといったような具合だ。きっといいイベントになると思うし、3クルー全員でいい結果を出したいと思っている」